古典和歌stream

金槐和歌集 - 源実朝

難波潟汀の葦のいつまでか
ほは出でずしも秋を忍ばむ

難波潟の水際の葦は、いつまで穂を出さずに秋を耐え忍ぶのだろうか。私もいつまで思いを表に出さずに忍んでいられるだろうか。

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金槐和歌集 - 源実朝

玉鉾の道は遠くもあらなくに
旅と思へばわびしかりけり

道のりはそれほど遠いわけでもないのに、旅だと思うと心細くわびしいことだ。

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金槐和歌集 - 源実朝

草枕旅にしあれば妹に恋ひ
眠る間をなみ夢さへ見えず

旅の途中にあるので、妻を恋しく思って眠る間もなく、夢にさえ妻の姿が見えない。

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金槐和歌集 - 源実朝

草枕旅にしあれば刈り薦の
思ひ乱れていこそ寝られぬ

旅の途中にあるので、刈り取った薦が乱れるように思い乱れて、眠ることもできない。

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金槐和歌集 - 源実朝

旅衣たもと片敷き今宵もや
草の枕にわれひとり寝む

旅の衣の袂を片方だけ敷いて、今夜もまた草の枕で私はひとり寝るのだろうか。

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金槐和歌集 - 源実朝

旅寝する伊勢の浜荻露ながら
結ぶ枕に宿る月影

旅寝をする伊勢の浜荻を露のついたまま結んで枕にすると、その枕に月の光が宿っている。

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金槐和歌集 - 源実朝

東路の佐夜の中山越えていなば
いとど都や遠ざかりなむ

東国へ向かう道の佐夜の中山を越えて行ってしまったら、いっそう都が遠ざかってしまうのだろうか。

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金槐和歌集 - 源実朝

湊風いたくな吹きそしなが鳥
猪名の湖舟泊むるまで

湊に吹く風よ、ひどく吹かないでくれ。猪名の湖に舟を泊めるまでは。

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金槐和歌集 - 源実朝

也良の崎月影寒し沖つ鳥
鴨といふ舟浮寝すらしも

也良の崎では月の光が寒々としている。鴨という名の舟は、波の上で浮き寝をしているらしい。

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金槐和歌集 - 源実朝

世の中は常にもがもな渚漕ぐ
海人の小舟の綱手かなしも

世の中はいつまでも変わらないものであってほしい。渚を漕いでゆく漁師の小舟が綱手で引かれていくさまは、しみじみと心にしみることだ。

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金槐和歌集 - 源実朝

露しげみならはぬ野辺の狩衣
頃しも悲し秋の夕暮

露がしきりに置くので、慣れない野辺を行く狩衣もしっとりと濡れ、折も折、秋の夕暮れは悲しいことだ。

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金槐和歌集 - 源実朝

野辺分けぬ袖だに露は置くものを
ただこの頃の秋の夕暮

野辺を分けて行かない袖にさえ露は置くものなのに、ましてこの頃の旅の秋の夕暮れはどれほどだろうか。

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金槐和歌集 - 源実朝

旅衣うら悲しかる夕暮の
裾野の露に秋風ぞ吹く

旅の衣を着て、もの悲しい夕暮れの裾野の露に、秋風が吹いている。

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金槐和歌集 - 源実朝

旅衣裾野の露にうら枯れて
ひもゆふ風に鹿ぞ鳴くなる

旅衣は裾野の露に濡れ、草葉の末も枯れはじめ、日も暮れて紐を結ぶ夕風の中に鹿が鳴いているようだ。

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金槐和歌集 - 源実朝

秋もはや末野の原に鳴く鹿の
声聞く時ぞ旅は悲しき

秋ももう末となり、末野の原で鳴く鹿の声を聞く時こそ、旅は悲しいものだ。

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金槐和歌集 - 源実朝

ひとり臥す草の枕の夜の露は
友なき鹿の涙なりけり

ひとりで寝る草の枕に置く夜の露は、連れのいない鹿の流す涙であったのだ。

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