古今和歌集 - 藤原興風
つらく思い悩んでいるので、無理にでも忘れようと思うけれど、夢というものは人に期待を抱かせるものだ。
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古今和歌集 - よみ人しらず
どうしようもなく、寝ても覚めても恋しいことよ。この心をどこへやったら忘れられるのだろうか。
恋しさに苦しんで魂が身から抜け出してさまよってしまったら、私は中身のない抜け殻として、その名だけが残るのだろうか。
古今和歌集 - 紀貫之
あなたを恋しく思って流す涙がもしなかったなら、唐衣の胸のあたりは、思いの火で色が燃えるように赤くなってしまうだろう。
いつまでも絶えることなく流れてゆく涙の川は、冬になっても凍ることのない水の泡であったよ。
夢の中の道にも露が降りているのだろうか。一晩中そこを通っていた私の袖が、濡れて乾かないことだ。
古今和歌集 - 素性法師
はかなくも夢の中でだけあの人に逢えた夜は、朝の寝床から起き上がるのがつらいことだ。
古今和歌集 - 藤原忠房
もしこれが偽りの涙であったなら、人目を忍んでひそかに袖を絞ったりはしないだろう。
古今和歌集 - 大江千里
声を上げて泣いて袖を濡らしたのだけれど、人に尋ねられたら、春雨に濡れた袖だと答えよう。
古今和歌集 - 藤原敏行
私と同じように何か悲しいことがあるのか、ほととぎすよ。時を選ばず、夜通しひたすら鳴いているのは。
五月の山の梢が高いので、ほととぎすの鳴く声が空から聞こえてくるように、上の空になるほどの恋をしていることだ。
古今和歌集 - 凡河内躬恒
秋霧のように晴れる時のない心では、立っているのか座っているのか、その心地さえもわからないことだ。
古今和歌集 - 清原深養父
秋の虫のように声を立てて泣きはしないけれど、涙だけは人知れず心の内に流れていることだ。
秋なので、山に響きわたるほど鳴く鹿に、私が劣るだろうか、いや劣りはしない。ひとりで寝る夜は。
秋の野に乱れて咲いている花の色がさまざまであるように、あれこれと思い悩むこのごろであることよ。
ひとりで思い悩んでいると、秋の夜の稲葉がそよと音を立てるように、「そうよ」と言ってくれる人もいない。