古典和歌stream

金葉和歌集 - よみ人しらず

葉隠れてつはると見えしほどもなく
こはうみうめになりにけるかな

葉に隠れて芽ぐんでいると見えたかと思うと、まもなく、これは熟した梅の実になったことだ。つわりかと見えたと思えば、まもなく子は産まれてしまったことだ。

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金葉和歌集

人並みに心ばかりは立ち添ひて
誘はぬわかのうらみをぞする

人並みに心だけは皆に付き添って行ったが、誘ってくれなかったことに、和歌の浦を見るのではなく、恨みごとを言うことだ。

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金葉和歌集

ことわりや曇ればこそは真澄鏡
映れる影も見えずなるらめ

もっともなことだ。曇っているからこそ、澄んだ鏡に映るはずの姿も見えなくなっているのだろう。

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金葉和歌集

西へ行く心は我もあるものを
ひとりな入りそ秋の夜の月

西方浄土へ行こうという心は私にもあるのだから、ひとりで山に入ってしまわないでくれ、秋の夜の月よ。

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金葉和歌集

まつ我はあはれ八十になりぬるを
あぶくま川の遠ざかりぬる

待ち続けている私は、ああ、八十歳になってしまったのに、阿武隈川が遠ざかるように、あなたに逢うことは遠ざかってしまった。

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金葉和歌集

三笠山神のしるしのいちしるく
しかありけりと聞くぞうれしき

三笠山の神のご霊験がはっきりと現れて、そのとおりであったと聞くのがうれしいことだ。

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金葉和歌集

行く人も立ちぞわづらふしかすがの
渡りや旅のとまりなるらむ

旅をして行く人も、さすがに立ち去りかねている。しかすがの渡しこそが、旅の泊まりなのであろうか。

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金葉和歌集 - よみ人しらず

身の憂さを思ひしとけば冬の夜も
とどこほらぬは涙なりけり

我が身のつらさを思い解いていくと、氷も解けないはずの冬の夜でさえ、滞ることなく流れるのは涙であったことだ。

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金葉和歌集

昔にもあらぬ姿になりゆけど
嘆きのみこそ面変はりせね

昔とはすっかり違う姿になっていくけれども、嘆きだけは少しも様子が変わらないことだ。

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金葉和歌集 - 源俊頼

さりともとかく眉墨のいたづらに
心細くも老いにけるかな

それでもいつかはと期待して眉墨を描いてきたが、それもむなしく、心細いままに老いてしまったことだ。

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金葉和歌集 - 行尊

心こそ世をば捨てしか幻の
姿も人に忘られにけり

心だけは世を捨てたのだが、幻のようにはかないこの身の姿までも、人に忘れられてしまったことだ。

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金葉和歌集

草の葉のなびくも待たず露の身の
置きどころなく嘆くころかな

草の葉が風になびくのも待たずに、露のようにはかない我が身は、身の置き所もなく嘆いているこのごろだ。

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金葉和歌集

千年まですまむ泉の底によも
影を並べむと思ひしもせじ

千年までも澄み続けるであろうこの泉の底に、まさか自分の姿を並べて映そうとは、思いもしなかっただろう。

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金葉和歌集

宇治川の底の水屑となりながら
なほ雲かかる山ぞ恋しき

宇治川の底に沈む水屑のような身となりながらも、やはり雲のかかる山が恋しく思われる。

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金葉和歌集 - 周防内侍

住みわびて我さへ軒の忍ぶ草
しのぶかたがた繁き宿かな

住みづらくなって、私までもこの家を離れていくが、軒に生える忍ぶ草のように、偲ぶことがあれこれと多い家であることだ。

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金葉和歌集 - 津守国基

聞きわたる御手洗川の水清み
底の心を今日ぞ見るべき

かねてから評判を聞いていた御手洗川の水が清らかなので、その底のように、あなたの心の奥底を今日こそ見ることができるだろう。

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