- 表題
- -
- 金葉和歌集
雲の上に馴れにしものを葦鶴の
あふことかたに下りゐぬるかな
雲の上の宮中に慣れ親しんでいたのに、葦辺の鶴が干潟に降りるように、宮中を退いて、お会いすることも難しくなってしまったことだ。
憂かりしに秋は尽きぬと思ひしを
今年も虫の音こそなかるれ
つらかったあの時に、秋というものは尽きてしまったと思っていたのに、今年も虫が鳴き、私も声をあげて泣かずにはいられない。