古典和歌stream

山家集 - 西行

筧にも君がつららや結ぶらん
心細くも絶えぬなるかな

筧にも、あなたのつれなさのような氷が張っているのだろうか。心細いことに、水の流れが絶えてしまったようだ。

詳細を見る

山家集 - 西行

思ひかね市の中には人多み
ゆかり尋ねてつくる玉章

思いに堪えかねて、市の中は人が多いので、つてを探し求めて、商人に託す恋文であることよ。

詳細を見る

山家集 - 西行

波しのぐことをも何か煩はん
君に逢ふべき道と思はば

波をしのいで海を渡ることも、どうして厄介だと思おうか。それがあなたに逢うための道だと思うならば。

詳細を見る

山家集 - 西行

岩代の松風聞けば物思ふ
人も心ぞ結ぼほれける

岩代の松を吹く風の音を聞くと、物思いをする人も、いっそう心が結ぼれてふさぎこんでしまうことだ。

詳細を見る

山家集 - 西行

長月のあまりにつらき心にて
忌むとは人の言ふにやあるらん

長月の余りの月である閏月のように、あまりにも冷淡な心から、閏月を忌むなどとあの人は言うのであろうか。

詳細を見る

山家集 - 西行

ことつくる御阿礼のほどを過ぐしても
なほやうづきの心なるべき

口実にしていた御阿礼の神事の頃を過ごしても、やはりあの人は卯月の名のように憂きつれない心のままなのだろうか。

詳細を見る

山家集 - 西行

天降る神のしるしのありなしを
つれなき人の行方にて見ん

天から降りたもうた神のご利益があるかないかを、つれないあの人のこれからの成り行きで見届けよう。

詳細を見る

山家集 - 西行

月待つと言ひなされつる宵の間の
心の色を袖に見えぬる

月を待っているのだと言いつくろってきた宵のうちの、人を待つ心の色を、袖の涙に見られてしまった。

詳細を見る

山家集 - 西行

知らざりき雲居のよそに見し月の
影を袂に宿すべしとは

思いもしなかった。遠い空のかなたに見ていた月の光を、涙に濡れた袂に宿すことになろうとは。

詳細を見る

山家集 - 西行

あはれとも見る人あらば思ひなん
月の面に宿る心は

月の面に宿っている私の心を、もし見る人があるならば、あわれだと思ってくれるだろう。

詳細を見る

山家集 - 西行

月見ればいでやと世のみ思ほえて
持たりにくくもなる心かな

月を見ると、いやもう、と思わず嘆かれて、世の中のことばかりが思われ、持ちこたえにくくなってゆく心であることよ。

詳細を見る

山家集 - 西行

弓張の月にはづれて見し影の
やさしかりしはいつか忘れん

弓張月の光から外れた物陰で見たあの人の姿の、優美であったことは、いつ忘れようか、決して忘れはしない。

詳細を見る

山家集 - 西行

面影の忘らるまじき別れかな
名残を人の月にとどめて

面影がとても忘れられそうにない別れであることよ。あの人が名残を月にとどめていったので。

詳細を見る

山家集 - 西行

秋の夜の月や涙をかこつらん
雲なき影をもてやつすとて

秋の夜の月は、私の涙のせいだと恨み言を言っているのだろうか。雲もない澄んだ光を、涙でみすぼらしく曇らせてしまうといって。

詳細を見る

山家集 - 西行

天の原冴ゆるみ空は晴れながら
涙ぞ月の雲になりける

大空の冷え冷えと冴えわたる空は晴れているのに、私の涙が月を隠す雲となってしまったことだ。

詳細を見る

山家集 - 西行

物思ふ心のたけぞ知られぬる
夜な夜な月を眺め明かして

物思いをする心の深さのほどが、思い知られることだ。毎晩毎晩、月を眺めながら夜を明かして。

詳細を見る