古典和歌stream

金槐和歌集 - 源実朝

われゆゑに濡るるにはあらじ唐衣
山路の苔の露にぞあらまし

あなたの袖が濡れているのは、私のために流した涙によるのではないだろう。その唐衣は、山道の苔に置いた露に濡れたのであろう。

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金槐和歌集 - 源実朝

奥山の苔の衣に置く露は
涙の雨の雫なりけり

奥山で修行する人の苔の衣に置く露は、涙の雨のしずくであったのだ。

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金槐和歌集 - 源実朝

鈴懸の苔織衣の古衣
おくもこのもときつつなれけむ

鈴懸の、苔で織ったような古びた衣は、山の奥でもこの木の下でも、来ては着て、着馴れたのだろう。

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金槐和歌集 - 源実朝

幾返り往来の峰のそみかくだ
鈴懸衣きつつなれけむ

幾度、往来する峰で、そみかくだの鈴懸衣を来ては着て、着馴らしたことだろう。

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金槐和歌集 - 源実朝

神風や朝日の宮の宮遷し
影のどかなる世にこそありけれ

伊勢の朝日の宮の遷宮が行われ、その御光ものどかに照らす、穏やかな御代であることだ。

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金槐和歌集 - 源実朝

恋しとも思はでいかが久方の
天照る神も空に知るらむ

恋しいと思わないでどうしていられようか。天に照る神も、空からこの心をお見通しであろう。

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金槐和歌集 - 源実朝

いにしへの神代の影ぞ残りける
天の岩戸のあけがたの月

いにしえの神代の光が今も残っていることだ。天の岩戸が開いた明け方のような、この夜明けの月には。

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金槐和歌集 - 源実朝

月冴ゆる御裳濯川の底清み
いづれの代にかすみはじめけむ

月の光が冴えわたる御裳濯川は川底まで清らかで、いったいどの御代からこのように澄みはじめ、神がここに住みはじめたのだろうか。

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金槐和歌集 - 源実朝

八百万四方の神たち集まれり
高天の原に千木高くして

八百万の四方の神々が集まっている。高天原に、千木を高くそびえさせて。

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金槐和歌集 - 源実朝

男山神にぞ幣を手向けつる
八百万代も君がまにまに

男山の八幡の神に幣を捧げた。八百万代までも、わが君の御心のままにと。

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金槐和歌集 - 源実朝

八幡山小高き松の種しあれば
千年の後も絶えじとぞ思ふ

八幡山の小高い松には、その種があるので、千年の後も絶えることはあるまいと思う。

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金槐和歌集 - 源実朝

鶴が岡仰ぎて見れば峰の松
梢はるかに雪ぞ積もれる

鶴が岡を仰いで見ると、峰の松の梢はるかに雪が積もっている。

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金槐和歌集 - 源実朝

八幡山小高き松にゐる鶴の
羽白妙に雪は降りつつ

八幡山の小高い松にとまっている鶴の羽が、真っ白になるほどに、雪が降り続いている。

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金槐和歌集 - 源実朝

ちはやぶる御手洗川の底清み
のどかに月の影は澄みけり

神の御手洗川は川底まで清らかなので、のどかに月の光が澄んで映っていることだ。

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金槐和歌集 - 源実朝

立ち寄れば衣手涼しみたらしや
影見る岸の春の川波

立ち寄ると袖が涼しく感じられる。御手洗川よ、人の姿を映して見る岸辺の春の川波よ。

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金槐和歌集 - 源実朝

葵草鬘にかけてちはやぶる
賀茂の祭りを練るや誰が子ぞ

葵を髪飾りにかけて、神の賀茂の祭りの行列をゆっくり進んでいくのは、誰の子であろうか。

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