- 表題
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- 古今和歌集
古今和歌集 - よみ人しらず
君が名も我が名も立てじ難波なる
みつとも言ふなあひきとも言はじ
あなたの評判も私の評判も立てまい。難波の御津ではないが、私を見たとも言わないでくれ。網引きではないが、私も逢ったとは言うまい。
古今和歌集 - よみ人しらず
名取川瀬々のむもれ木あらはれば
いかにせむとかあひ見そめけむ
名取川の瀬々に沈んでいる埋もれ木が水面に現れるように、二人の仲が人に知られてしまったら、どうしようと思って逢い始めたのだろうか。
古今和歌集 - 小野春風
花すすきほに出でて恋ひば名を惜しみ
下結ふ紐の結ぼほれつつ
花すすきが穂を出すように、表に出して恋をしたら評判が惜しいので、下に結んだ紐が固く結ばれるように、心がふさいで晴れないままでいる。
古今和歌集 - 小野小町
うつつにはさもこそあらめ夢にさへ
人目をよくと見るがわびしさ
現実では人目を避けるのもそれは仕方がないだろう。けれど夢の中でまで、あなたが人目を避けていると見るのが、やりきれない。
古今和歌集 - よみ人しらず
思へども人目つつみの高ければ
川と見ながらえこそ渡らね
恋しく思っているけれど、人目をはばかる慎みが、川の堤のように高いので、渡れる川だと見ていながら、どうしても渡ることができない。
古今和歌集 - 凡河内躬恒
冬の池に住むにほ鳥のつれもなく
そこに通ふと人に知らすな
冬の池に住むかいつぶりが、連れもなく水の底に潜って通うように、あなたがそ知らぬ顔をして、私のもとへ通っていると、人に知らせないでくれ。
古今和歌集 - 凡河内躬恒
笹の葉に置く初霜の夜を寒み
しみはつくとも色に出でめや
笹の葉に置く初霜が、夜が寒いので凍りつくように、恋心が深く心に染み付いたとしても、笹の葉が色を変えないように、どうして表に出したりしようか。