古典和歌stream

山家集 - 西行

何とこは数まへられぬ身のほどに
人を恨むる心なりけん

いったいこれはどうしたことか、人並みにも数えられない身のほどでありながら、あの人を恨む心になったのだろう。

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山家集 - 西行

憂きふしをまづ思ひ知る涙かな
さのみこそはと慰むれども

つらい折ふしを、まっ先に思い知る涙であることよ。世の中はそういうものだと自分を慰めるけれども。

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山家集 - 西行

さまざまに思ひ乱るる心をば
君がもとにぞ束ね集むる

さまざまに思い乱れる私の心を、あなたのもとにひとつに束ね集めている。

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山家集 - 西行

物思へばちぢに心ぞ砕けぬる
信太の森の千枝ならねども

物思いをすると、心は千々に砕けてしまう。信太の森の楠の千枝ではないけれども。

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山家集 - 西行

かかる身におほし立てけんたらちねの
親さへつらき恋もするかな

こんな身の上に育て上げたのであろう親までもが恨めしく思われるような、つらい恋をすることだ。

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山家集 - 西行

おぼつかな何の報いの帰り来て
心責むるあだとなるらん

気がかりなことだ。前世のどんな行いの報いがめぐって来て、心を責めさいなむ仇となっているのだろうか。

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山家集 - 西行

かき乱る心休めぬ言種は
あはれあはれと嘆くばかりか

乱れる心を休めることもできない私の口癖は、ああ、ああと嘆くことばかりなのだろうか。

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山家集 - 西行

身を知れば人のとがには思はぬに
恨み顔にも濡るる袖かな

身のほどを知っているので、あの人のせいだとは思わないのに、まるで恨んでいるような顔つきで、涙に濡れる袖であることよ。

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山家集 - 西行

なかなかに馴るるつらさに比ぶれば
疎き恨みはみさをなりけり

なまじ親しく馴れてからのつらさに比べると、疎遠であった頃の恨みは、まだ平静でいられるものであった。

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山家集 - 西行

人は憂し嘆きは露も慰まず
さはこはいかにすべき心ぞ

あの人はつれなく、私の嘆きは少しも慰められない。それでは、これはいったいどうすればよい心なのか。

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山家集 - 西行

日に添へてうらみはいとど大海の
ゆたかなりける我が思ひかな

日がたつにつれて、恨みはますます大海のように満ちあふれる、私の思いであることよ。

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山家集 - 西行

さることのあるなりけりと思ひ出でて
忍ぶ心を忍べとぞ思ふ

そのようなこともあったのだなあと思い出しては、あの人を偲ぶ心を、人に知られぬよう忍んでおけと思う。

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山家集 - 西行

今日ぞ知る思ひ出でよと契りしは
忘れんとての情けなりけり

今日こそ思い知った。「思い出してね」と約束したのは、私を忘れようとしての情けの言葉だったのだ。

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山家集 - 西行

難波潟波のみいとど数添ひて
うらみの隙や袖の乾かん

難波潟では、波ばかりがますます数を増して寄せてくる。そのように恨みが絶え間なく続く中で、袖が乾くひまなどあろうか。

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山家集 - 西行

心ざしありてのみやは人を問ふ
情けはなどと思ふばかりぞ

深い愛情があるときだけ人を訪ねるものだろうか、いやそうではない。せめて情けくらいは、なぜかけてくれないのかと思うばかりだ。

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山家集 - 西行

なかなかに思ひ知るてふ言の葉は
問はぬに過ぎて恨めしきかな

なまじ「あなたの気持ちはよく分かる」という言葉は、何の便りもくれないことよりも、かえって恨めしいことだ。

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