金槐和歌集 - 源実朝
宮殿の柱をしっかりと立てて、万代にわたって、今こそ栄えるであろう、この鎌倉の里は。
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黒木を用いてわが君が造られた宮であるから、万代を経ても古びることはないだろう。
今造る黒木の宮は古びることなく、わが君は万代までもお通いになるだろう。
大君のお言葉を謹んで承り、心は千々に乱れて思い悩もうとも、そのことを人に言うことなどあろうか。
山は裂け、海は干上がってしまうような世であっても、わが君に背く二心など、私にあろうか。
東国に私がいるので、朝日の射す藐姑射の山、すなわち上皇の御所の陰となって、お守りする身となったのだ。
私はいくつもの見てきた世の出来事を思い出した。明けるまでもない短い夜の寝覚めに。
思い出して、夜は一晩中声を上げて泣くことだ。過ぎ去った昔の、さまざまな時代の出来事を。
いっそのこと老いてぼけて忘れてしまえばよいのに、忘れもしないで、どうして昔をこれほど偲ぶのだろうか。
道は遠い。腰は二重に曲がってしまった。それでも杖にすがって、ここまでもやって来る。
それでもまだ大丈夫だと思うものの、日が経つにつれて、だんだんと弱ってゆく悲しさよ。
この世に生きていると、つらい言葉を耳にするたびに、絶えず涙の露が置くことだ。
嘆き疲れても、世を捨ててどこへ逃れたらよいのかわからない。吉野の奥も住みづらいと人はいっている。
どこで生涯を終えたらよいのだろうか。菅原の伏見の里も荒れてしまったというのに。
春と秋は移り変わってゆくけれども、海の中の島の松は、変わらずに久しくあることだ。
豊国の企救の浜の松は老いたことだ。いったいどれほどの世の年を経てきたのだろうか、わからない。