- 表題
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- 古今和歌集
古今和歌集 - 清原深養父
恋しとは誰が名づけけむことならむ
死ぬとぞただに言ふべかりける
「恋しい」とは、いったい誰が名づけた言葉なのだろう。この苦しさは、いっそ「死ぬ」とそのまま言うべきであったのだ。
古今和歌集 - よみ人しらず
三吉野の大川のへの藤波の
なみに思はば我が恋ひめやは
吉野の大川のほとりの藤の花房が波のように揺れる、その「なみ」ではないが、並一通りに思っているのなら、私はこれほど恋い焦がれたりするだろうか。
古今和歌集 - よみ人しらず
梓弓ひきののつづら末つひに
我が思ふ人に言の繁けむ
梓弓を引くという引野に生えるつづらの蔓の先が伸び広がっていくように、行く末にはついに、私の思う人について人の噂がしきりに立つことだろう。
古今和歌集 - よみ人しらず
夏引きの手引きの糸を繰り返し
言繁くとも絶えむと思ふな
夏に引き出した手引きの糸を繰り返し手繰るように、繰り返し人の噂がしきりに立っても、二人の仲が絶えようとは思わないでください。
古今和歌集 - 在原業平
数々に思ひ思はず問ひがたみ
身を知る雨は降りぞまされる
あなたが私をいろいろに思ってくださるのか、思ってくださらないのか、尋ねにくいので、わが身の程を思い知らせる雨がいっそう激しく降りまさっていることだ。
古今和歌集 - よみ人しらず
大幣の引く手あまたになりぬれば
思へどえこそ頼まざりけれ
大幣を引き寄せる手が多いように、あなたを誘う人があまたになってしまったので、あなたを思ってはいても、とても頼りにすることはできないことだ。
古今和歌集 - 在原業平
大幣と名にこそ立てれ流れても
つひに寄る瀬はありてふものを
大幣だと評判が立ってはいるが、大幣が祓えの後に川に流されても最後には流れ寄る瀬があるように、私にもついに身を寄せる所があるというのに。
古今和歌集 - よみ人しらず
玉葛這ふ木あまたになりぬれば
絶えぬ心のうれしげもなし
玉葛がからみつく木がたくさんになったように、あなたの通う相手がたくさんになってしまったので、私との仲を絶やさないあなたの心も、うれしいとも思えない。
古今和歌集 - よみ人しらず
誰が里に夜離れをしてか郭公
ただここにしも寝たる声する
ほととぎすよ、どこの誰の里への夜の訪れを絶ってきたのか。ほかでもないこの私のところで、寝ているような声がすることだ。
古今和歌集 - よみ人しらず
いで人は言のみぞよき月草の
うつし心は色ことにして
いやもう、あの人は言葉ばかりがよいのだ。月草で染めた色が移ろいやすいように、移り気な本心は、言葉とは違う色をしていて。