古典和歌stream

山家集 - 西行

世の憂きにひかるる人はあやめ草
心のねなき心地こそすれ

世のつらさに引かれて生きる人は、引き抜かれたあやめ草のように、心に根がないような気持ちがすることだ。

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山家集 - 西行

世の憂さを昔語りになし果てて
花橘に思ひ出でめや

この世のつらさをすっかり昔話にしてしまったならば、花橘の香によってそれを思い出すことなどあろうか。

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山家集 - 西行

空になる心は春の霞にて
世にあらじとも思ひたつかな

上の空になってしまう心は春の霞のようで、霞が立つように、この世にはいるまいと思い立つことだ。

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山家集 - 西行

世を厭ふ名をだにもさは留めおさて
数ならぬ身の思ひ出にせん

世を厭う者という名だけでも、それならばこの世に留めておいて、物の数にも入らないわが身の思い出にしよう。

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山家集 - 西行

柴の庵と聞くはくやしき名なれども
世に好もしき住まひなりけり

柴の庵と聞くと、いかにも残念な名ではあるけれども、実に好ましい住まいであることだ。

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山家集 - 西行

世の中を背き果てぬと言ひ置かん
思ひ知るべき人はなくとも

世の中をすっかり捨て去ったと言い残しておこう。たとえ私の心を思い知ってくれる人はいなくても。

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山家集 - 西行

月のみやうはのそらなる形見にて
思ひも出でば心通はん

月だけが、空の上にあってあてにならない形見ではあるが、それを見てあなたも私を思い出してくれるなら、心は通い合うだろう。

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山家集 - 西行

鈴鹿山憂き世をよそにふり捨てて
いかになりゆく我が身なるらん

鈴鹿山を越えながら、憂き世をよそのものとして振り捨てて、これからどのようになってゆくわが身なのだろうか。

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山家集 - 西行

何事にとまる心のありければ
さらにしもまた世の厭はしき

何事に心がとどまるところがあったから、今さらまたこの世が厭わしく思われるのだろうか。

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山家集 - 藤原成通

驚かす君によりてぞ長き世の
久しき夢は覚むべかりける

目を覚まさせてくださるあなたによってこそ、長い迷いの世の久しい夢から覚めることができるのだった。

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山家集 - 西行

驚かぬ心なりせば世の中を
夢ぞと語るかひなからまし

もしあなたが目覚めることのない心であったならば、世の中を夢であるとお話しする甲斐もなかったであろう。

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山家集 - 源雅定

夜もすがら月を眺めて契り置きし
その睦言に闇は晴れにき

一晩中月を眺めながら約束を交わした、あの親しい語らいによって、私の心の闇は晴れたのだった。

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山家集 - 西行

すむと言ひし心の月し現れば
この世も闇の晴れざらめやは

世を離れて住み、心が澄むと語ったその心の月が現れるならば、この世の闇も晴れないことがあろうか、きっと晴れるだろう。

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山家集 - 西行

いにしへに変はらぬ君が姿こそ
今日はときはの形見なりけれ

昔に変わらないあなたの姿こそが、今日は常盤の地で、変わらないことの形見であることだ。

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山家集 - 藤原為業

色変へて独り残れるときは木は
いつをまつとか人は見るらん

皆が衣の色を変えて出家したなかで、ひとり色を変えずに残っている常磐木のような私を、いつを待っている松だと人は見ているのだろうか。

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山家集

立ち寄りて柴の煙のあはれさを
いかが思ひし冬の山里

立ち寄ってくださって、柴を焚く煙の哀れさを、どのように思われたでしょうか、この冬の山里で。

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