古典和歌stream

山家集 - 遊女妙(新古今集による)

家を出づる人とし聞けばかりの宿
心とむなと思ふばかりぞ

家を出て世を捨てた方だと聞きましたので、かりそめの宿に心をとどめなさいますなと思うばかりなのです。

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山家集 - 西行

世を捨てて谷底に住む人見よと
峰の木の間を分くる月影

世を捨てて谷底に住む人よ、見よと言わんばかりに、峰の木々の間を分けて差しこんでくる月の光であることだ。

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山家集 - 西行

悔しきはよしなき君に馴れ初めて
厭ふ都の偲ばれぬべき

悔やまれるのは、本来近づくすべもないあなた様に馴れ親しんでしまったために、厭い捨てるはずの都がきっと恋しく偲ばれるだろうことです。

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山家集 - 西行

さらぬだに世のはかなさを思ふ身に
鵺鳴き渡る曙の空

そうでなくてさえ世のはかなさを思っているわが身に、鵺が鳴きながら渡ってゆく、明け方の空であることよ。

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山家集 - 西行

鳥辺野を心のうちに分けゆけば
いぶきの露に袖ぞそほつる

鳥辺野を心のなかで分け入ってゆくと、いぶきの露に袖がしっとりと濡れることだ。

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山家集 - 西行

いつの世に長き眠りの夢覚めて
驚くことのあらんとすらん

いったいいつの世に、長い眠りの夢から覚めて、目を覚ますことがあろうとするのだろうか。

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山家集 - 西行

世の中を夢と見る見るはかなくも
なほ驚かぬ我が心かな

世の中を夢だと見ながらも、はかないことに、いまだに目覚めない私の心であることよ。

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山家集 - 西行

亡き人もあるを思ふも世の中は
眠りのうちの夢とこそ見れ

亡くなった人のことも、生きている人のことを思うのも、この世のことはすべて眠りのなかの夢と見ることだ。

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山家集 - 西行

来し方の見し世の夢に変はらねば
今もうつつの心地やはする

過ぎ去った昔に見た世の中は夢と変わらないので、今のことも現実という気がするだろうか、いや、しはしない。

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山家集 - 西行

こととなく今日暮れぬめり明日もまた
変はらずこそは隙過ぐる影

これということもなく今日も暮れてしまったようだ。明日もまた変わらずに、隙間を過ぎる光のように月日は早く過ぎてゆくのだろう。

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山家集 - 西行

越えぬればまたもこの世に帰り来ぬ
死出の山こそ悲しかりけれ

一度越えてしまえば、二度とこの世に帰って来ることのない死出の山こそ、悲しいものであることだ。

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山家集 - 西行

はかなしやあだに命の露消えて
野辺に我が身や送りおくらん

はかないことだ。むなしく命の露が消えて、人々は野辺にわが身を送り置くのだろうか。

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山家集 - 西行

露の玉は消ゆればまたも置くものを
頼みもなきは我が身なりけり

露の玉は消えてもまた置くものであるのに、頼みにすることもできないのは、わが身であることだ。

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山家集 - 西行

あればとて頼まれぬかな明日はまた
昨日と今日を言はるべければ

今日生きているからといって頼みにはできないものだ。明日になればまた、今日のことを昨日と言われるにちがいないのだから。

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山家集 - 西行

秋の色は枯野ながらもあるものを
世のはかなさや浅茅生の露

秋の色は枯れ野になってもなお残っているものなのに、世のはかなさは、浅茅の原に置く露のようであることよ。

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山家集 - 西行

年月をいかで我が身に送りけん
昨日の人も今日はなき世に

これほどの長い年月を、どうしてわが身は送ってきたのだろう。昨日いた人も今日はもういない、この世の中で。

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