古典和歌stream

山家集 - 西行

捨てやらで命を終ふる人はみな
千々の黄金を持て帰るなり

執着を捨てきれないで命を終える人はみな、范蠡の長男のように、千々の黄金を惜しんで持ち帰るようなものである。

詳細を見る

山家集 - 西行

つき果てしその入相のほどなさを
この暁に思ひ知りぬる

撞き終えた、あの夕暮れの入相の鐘から、命が尽きるまでの時のなさを、この暁になって思い知ったことだ。

詳細を見る

山家集 - 西行

亡き人を霞める空にまがふるは
道を隔つる心なるべし

亡き人を霞んだ空に紛れさせてしまうのは、この世とあの世との道を隔てようとする霞の心なのであろう。

詳細を見る

山家集 - 西行

散ると見ればまた咲く花のにほひにも
遅れ先立つためしありけり

散ったと見ると、またあとから咲く花の美しさにも、人の世と同じく、遅れたり先立ったりする例があったのだ。

詳細を見る

山家集 - 西行

月を見ていづれの年の秋までか
この世に我がちさりあるらん

こうして月を眺めながら、いったいどの年の秋まで、この世に生きてこの月を見る宿縁が私にはあるのだろうか。

詳細を見る

山家集 - 西行

いかでわれ今宵の月を身に添へて
死出の山路の人を照らさん

どうにかして私は、今宵のこの月を身に添えて、死出の山路をゆく人々を照らしてやりたい。

詳細を見る

山家集 - 西行

その折の蓬が下の枕にも
かくこそ虫の音には睦れめ

死んだその時の、蓬の生い茂る下の墓の枕辺でも、きっとこのように虫の声に親しむことであろう。

詳細を見る

山家集 - 西行

鳥辺野や鷲の高嶺の末ならん
煙を分けて出づる月影

鳥辺野よ、ここは鷲の峰の末に連なる地なのであろう。火葬の煙を分けて出てくる月の光であることよ。

詳細を見る

山家集 - 西行

はかなくて過ぎにし方を思ふにも
今もさこそは朝顔の露

はかなく過ぎ去った昔を思うにつけても、今もまたそのように、朝顔に置く露のようにはかないのだ。

詳細を見る

山家集 - 西行

もろともに眺め眺めて秋の月
ひとりにならんことぞ悲しき

いっしょに何度も眺めてきた秋の月を、これからはひとりで見ることになるのが悲しいことだ。

詳細を見る

山家集 - 西行

尋ぬとも風の伝にも聞かじかし
花と散りにし君が行方を

たとえ尋ねたとしても、風の便りにさえ聞くことはできないだろう。花と散ってしまわれた女院の行方を。

詳細を見る

山家集 - 待賢門院堀河

吹く風の行方知らするものならば
花と散るにも遅れざらまし

吹く風が女院の行方を知らせてくれるものであるならば、花と散ってしまわれたあの方にも後れはしないでしょうに。

詳細を見る

山家集 - 西行

磨かれし玉の住みかを露深き
野辺に移して見るぞ悲しき

磨き立てられた玉のように美しい御殿にお住まいだった方を、露の深い野辺に移してお見申すのが悲しいことだ。

詳細を見る

山家集 - 西行

今宵こそ思ひ知らるれ浅からぬ
君に契りのある身なりけり

今宵こそ思い知らされることだ。わが身は、君との間に浅くない宿縁のある身であったのだ。

詳細を見る

山家集 - 西行

道変はる御幸悲しき今宵かな
限りの旅と見るにつけても

いつもとは道の変わった御幸の悲しい今宵であることよ。これが最後の旅だと思って見るにつけても。

詳細を見る

山家集 - 西行

問はばやと思ひ寄らでぞ嘆かまし
昔ながらの我が身なりせば

もし昔のままの在俗のわが身であったならば、ご供養申し上げたいと思いつくこともなく、ただ嘆いていたことであろう。

詳細を見る