山家集 - 西行
一度は住み捨てたその故郷に、改めて帰り住んで、昔に立ち返ったような気持ちがするだろうか。
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誰もがみなあなたの嘆きを見舞う、その数のうちの一つとは思われないような言葉があればよいのに。
お気の毒にと心に思っているほどのことを、そのまま言葉にして言えるものならば、見舞いもいたしましょうが。
亡き人をしのぶ人は、涙を流すにちがいない。これほどしみじみと見える筆の跡なのだから。
山家集 - 寂然
心乱れることなく臨終を迎えたと聞くのは嬉しいことだ。それでも別れの悲しみは慰められはしないけれども。
この世では二度と会えないであろう悲しさに、念仏を勧めていた私のほうが、かえって心乱れてしまった。
山へ入るときには、拾い集めた遺骨という形見も残っていた。帰りの山路の友は、涙だけであろうか。
どうであったとも分別できないまま過ぎてしまった。夢の中で山路を行くような心地がして。
散り散りに去ってゆく今日の別れを思うにつけても、さらに嘆きが加わるような心地がすることだ。
山家集
悲しみに伏し沈んでいるこの身に、まだ心というものがあるならば、さらに嘆きも加わる心地もするであろうが。
比べるもののない亡き人の形見としては、あなただけを頼りにしたいと思うのに。
亡き人の形見になると聞くとすぐに、いっそう涙に濡れる墨染の袖であることよ。
亡き人の跡も、今日まではまだ残っていたのに、明日からは、人々との別れまでも加えて偲ぶのだろうか。
山家集 - のりつな
どうか察してください。今日の別れの悲しさに、姿を変えて出家し、故人を偲ぶ私の心を。
どれほどあなたは思い悩んだことだろう。もし妹君が仏道に入らないで、後世の頼みもない別れであったならば。
妹は頼もしい仏道に入って逝ったけれども、わが身に引き比べてみると、さてどうであろうかと思うことだ。