古典和歌stream

山家集 - 寂然

訪へかしな別れの袖に露しげき
蓬が下の心細さを

見舞ってほしいものだ。別れの悲しみの涙で袖に露がしげく置き、蓬の生い茂る下に住む、この心細さを。

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山家集 - 寂然

待ちわびぬ遅れ先立つあはれをも
君ならでさは誰か訪ふべき

待ちわびてしまった。後に残る者と先立つ者との悲しみをも、あなたでなくて、いったい誰が見舞ってくれるだろうか。

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山家集 - 寂然

別れにし人をふたたび跡を見ば
恨みやせまし訪はぬ心を

亡くなった兄が、もし再びこの世の跡を見るならば、弔いに訪れないあなたの心を恨むことであろうか。

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山家集 - 寂然

いかがせん跡のあはれは訪はずとも
別れし人の行方尋ねよ

どうしようもない。残された者の悲しみは見舞ってくれなくても、せめて亡くなった人の行方は尋ねて弔ってほしい。

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山家集 - 寂然

なかなかに訪はぬは深き方もあらん
心浅くも恨みつるかな

かえって見舞わないことには、深い心があるのかもしれない。浅はかにも恨んでしまったことだ。

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山家集 - 西行

分け入りて蓬が露をこぼさじと
思ふも人を訪ふにあらずや

分け入って蓬に置く露をこぼすまいと思って訪ねないでいるのも、人を思いやって見舞うことではないだろうか。

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山家集 - 西行

よそに思ふ別れならねば誰をかは
身より外には訪ふべかりける

よそごとと思う別れではないので、わが身のほかに誰を見舞うべきであろうか、自分自身を見舞うようなものだ。

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山家集 - 西行

隔てなき法の言葉にたより得て
蓮の露にあはれかくらん

分け隔てのない仏法の言葉にすがって、亡き人は極楽の蓮の露に、哀れをかけていることだろう。

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山家集 - 西行

亡き人を偲ぶ思ひの慰まば
跡をも千たび訪ひこそはせめ

亡き人を偲ぶ思いが慰められるのならば、その跡を千度でも訪ねて弔いもしようが。

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山家集 - 西行

御法をば言葉なけれど説くと聞けば
深きあはれは訪はでこそ思へ

仏の教えは言葉がなくても説かれると聞くので、深い哀れの思いは、見舞わないままに心で思っているのだ。

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山家集 - 西行

露深き野辺になりゆく古里は
思ひやるにも袖しをれけり

主を失って露の深い野辺のように荒れてゆく故郷の家は、思いやるにつけても涙で袖がしおれることだ。

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山家集 - 西行

いづくにか眠り眠りて倒れ伏さんと
思ふ悲しき道芝の露

どこかで眠り込むようにして、行き倒れて伏すのだろうと思う、その悲しさよ、道ばたの芝に置く露のようなわが身は。

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山家集 - 西行

驚かんと思ふ心のあらばやは
長き眠りの夢も覚むべき

目を覚まそうと思う心があるというだけで、長い眠りの夢が覚めることがあろうか、いや覚めはしない。

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山家集 - 西行

風荒き磯にかかれる海人人は
繋がぬ舟の心地こそすれ

風の荒い磯にしがみつくようにして暮らす漁師は、つないでいない舟のような心地がすることだ。

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山家集 - 西行

大波に引かれ出でたる心地して
助け舟なき沖に揺らるる

大波に引かれて沖へ出てしまったような心地がして、助け舟もない沖で揺られていることだ。

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山家集 - 西行

亡き跡を誰と知らねど鳥辺山
おのおのすごき塚の夕暮

亡き人の跡を、誰のものとも知らないけれど、鳥辺山では、塚の一つ一つがもの寂しく見える夕暮れであることよ。

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