山家集 - 西行
流れてゆく水の上に玉のように浮かぶ泡のように、ああ、はかないこの世であることよ。
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消えてしまったらしい根元の雫を思うにつけても、誰が葉末の露のようにはかない身でないことがあろうか。
亡き人を送り置いて帰ってきた野辺の朝露を、袖に移しているのは、実は涙であったよ。
船岡の裾野にある塚の数をまた一つ増やして、あなたを昔の人にしてしまったことだ。
この世ならぬあの世へと隔たる別れは、今日こそつらく思われることだ。浅茅の原を見るにつけても。
後世を弔ってくれと約束した言葉こそが、忘れることのできない形見となるのであろう。
後に残されて涙に沈んでいる故郷の家を、亡き人の魂も、哀れと見ていることだろうか。
残された人々の弔いによる道に、あなたは入ってしまったのだろうか。苦しい死出の山路にはかからないで。
故人の名残さえほどなく過ぎ去ってしまうのならば悲しい。この世で七日ごとの法事の数を重ねずにいたいものだ。
故人の跡を偲ぶ人々とさえも、また別れねばならないその日を前もって思って、こぼれ散る涙であることよ。
桜の花が散り、人々も散り散りになってゆく木の下で、名残を惜しんで鳴く鶯の声であることよ。
山家集 - 藤原脩範
散る花は、また来る春にもきっと咲くだろう。しかし人との別れは、いつめぐり逢うことができるのだろうか。
哀れを知る空にも心があったので、人々の涙に、雨を添えて降らせているのであった。
山家集 - 院少納言局
哀れを知る空のせいではあるまい。悲しみに沈む人々の涙が、今日は雨となって降っているのだろう。
今朝はどれほど悲しみの思いの色が深まっていることだろう。昨日までもまた、人々と別れて。
あなたにまで別れてしまって、今日からは、心を慰める手だてが本当になくなってしまったことだ。