古典和歌stream

山家集 - 西行

重ね着る藤の衣をたよりにて
心の色を染めよとぞ思ふ

重ねて着る喪服の藤衣をきっかけとして、心の色をも仏の道に染めなさい、と思うことだ。

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山家集 - 藤原公能

藤衣重ぬる色は深けれど
浅き心の染まぬはかなさ

重ねて着る藤衣の色は深いけれども、浅はかな心は仏道に染まらない、そのはかなさよ。

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山家集 - 西行

君がため秋は世に憂き折なれや
去年も今年も物思ひにて

あなたにとって、秋はこの世でことにつらい時節なのであろうか。去年も今年も、悲しみの物思いに沈んでいて。

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山家集

晴れやらぬ去年の時雨の上にまた
かき暗さるる山めぐりかな

晴れきらない去年の時雨の上に、さらにまた、山々をめぐる時雨で空が暗くかき曇らされることだ。

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山家集 - 西行

思ひ出づる情けを人の同じくは
その折訪へな嬉しからまし

思い出して見舞ってくれるその情けを、同じことならば、あの悲しみの折に訪ねてほしかった。そうであればどんなに嬉しかったことか。

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山家集 - 西行

限りなく悲しかりけり鳥辺山
亡きを送りて帰る心は

このうえなく悲しいことであった。鳥辺山に亡き人を送って、帰ってくるときの心は。

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山家集 - 西行

このたびは先々見けん夢よりも
覚めずや物は悲しかるらん

今度のことは、これまでに見たであろう夢よりも、いっこうに覚めることもなく、いっそう悲しく思われるのであろうか。

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山家集 - 西行

今宵君死出の山路の月を見て
雲の上をや思ひ出づらん

今宵わが君は、死出の山路で月をご覧になって、宮中のことを思い出していらっしゃるのだろうか。

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山家集 - 西行

かくれにし君がみかげの恋しさに
月に向かひて音をや泣くらん

お隠れになった君のお姿が恋しくて、月に向かって声をあげて泣いているのだろうか。

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山家集 - 三河内侍

わが君の光隠れし夕より
闇にぞ迷ふ月は澄めども

わが君の光がお隠れになったあの夕べから、私は闇に迷っている。月は澄んで照っているけれども。

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山家集 - 西行

いにしへを恋ふる涙の色に似て
袂に散るは紅葉なりけり

昔を恋い慕う紅の涙の色に似て、袂に散りかかるのは紅葉であったよ。

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山家集 - 西行

繁き野をいく一むらに分けなして
さらに昔を偲び返さん

草の生い茂った野となった庭を、いくつかの一むらに分けて、改めて昔のありさまを偲び返そう。

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山家集 - 西行

紅葉見て君がためとや時雨るらん
昔の秋の色を慕ひて

紅葉を見て、あなたのためにと時雨が降っているのだろうか。昔の秋の色を慕って。

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山家集 - 上西門院兵衛

色深き梢を見ても時雨れつつ
ふりにしことをかけぬ日ぞなき

色の深い梢を見ても涙の時雨を降らせながら、過ぎ去った昔のことを心にかけない日はない。

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山家集 - 西行

いにしへはついゐし宿もあるものを
何をか今日のしるしにはせん

昔は周防内侍が膝をついて座っていた宿もあったものを、今日は何をそのしるしとすればよいのだろうか。

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山家集 - 西行

朽ちもせねその名ばかりを留め置きて
枯野の薄形見にぞ見る

朽ちることのないその名だけをこの世に留め置いて、枯れ野の薄を、その人の形見として見ることだ。

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