古典和歌stream

詞花和歌集

老いてこそ春の惜しさはまさりけれ
今いくたびも逢はじと思へば

年老いてからこそ、春を惜しむ気持ちはいっそう強くなるものだ。この先もう何度も春に会うことはないだろうと思うので。

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詞花和歌集 - 崇徳院

惜しむとて今宵書き置く言の葉や
あやなく春の形見なるべき

春を惜しむといって今宵書き残しておく言葉が、わけもなく春の形見となってしまうのだろうか。

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詞花和歌集 - 増基

今日よりはたつ夏衣薄くとも
あつしとのみや思ひわたらむ

今日からは夏が立ち、裁って仕立てた夏衣に着替える。その衣は薄くても、ただ「あつし」、つまり暑い、厚いとばかり思い続けることになるのだろうか。

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詞花和歌集 - 源俊頼

雪の色を盗みて咲ける卯の花は
冴えてや人に疑はるらむ

雪の色を盗んで咲いている卯の花は、あまりに白く冴え冴えとしているので、雪の色を盗んだのではないかと人に疑われているのだろうか。

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詞花和歌集

年を経てかけしあふひは変はらねど
今日のかざしはめづらしきかな

長年にわたって掛けてきた葵は変わらないけれども、今日の挿頭は新鮮に感じられることだ。

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詞花和歌集 - 源兼昌

榊とる夏の山路や遠からむ
ゆふかけてのみ祭る神かな

榊を取りに行く夏の山路は遠いのだろうか。夕方になってから、木綿を掛けて祭る神であることよ。

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詞花和歌集 - 周防内侍

昔にもあらぬ我が身にほととぎす
待つ心こそ変はらざりけれ

昔のようではなくなってしまった我が身であるのに、ほととぎすを待つ心だけは変わらないことだ。

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詞花和歌集

ほととぎす鳴く音ならでは世の中に
待つこともなき我が身なりけり

ほととぎすの鳴く声以外には、この世の中で待つことなど何もない我が身であったよ。

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詞花和歌集 - 花山院

今年だに待つ初声をほととぎす
世にはふるさで我に聞かせよ

せめて今年だけでも、私が待っている初声を、ほととぎすよ、世間の人に聞き古させずに、まず私に聞かせてくれ。

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詞花和歌集 - 道命

山里のかひこそなけれほととぎす
都の人もかくや待つらむ

山里の峡に住む甲斐もないことだ。ほととぎすを、都の人もこのように待っているのだろうか。

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詞花和歌集 - 能因

山彦の答ふる山のほととぎす
一声鳴けば二声ぞ聞く

山彦が答える山のほととぎすは、一声鳴くと、こだまと合わせて二声聞こえる。

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詞花和歌集

ほととぎす暁かけて鳴く声を
待たぬ寝覚めの人や聞くらむ

ほととぎすが暁にかけて鳴く声を、待ってもいないのにたまたま寝覚めた人が聞いているのだろうか。

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詞花和歌集

待つ人は寝る夜もなきをほととぎす
鳴く音は夢の心地こそすれ

待つ人は眠る夜もないというのに、ほととぎすの鳴く声は、まるで夢の中で聞くような心地がすることだ。

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詞花和歌集 - 源俊頼

鳴きつとも誰にか言はむほととぎす
影より外に人しなければ

ほととぎすが鳴いたと言っても、誰に話せばよいのか。自分の影のほかには、そばに人などいないのだから。

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詞花和歌集 - 待賢門院堀河

昆陽の池に生ふるあやめの長き根は
引く白糸の心地こそすれ

昆陽の池に生えている菖蒲の長い根は、引き伸ばした白糸のような感じがする。

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詞花和歌集

夜もすがらたたく水鶏は天の戸を
開けてのちこそ音せざりけれ

一晩中、戸を叩くように鳴いていた水鶏は、天の戸が開いて夜が明けた後には、音を立てなくなったことだ。

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