古典和歌stream

詞花和歌集

五月雨の日をふるままに鈴鹿川
八十瀬の波ぞ声まさるなる

五月雨が降り続いて日数が経つにつれて、鈴鹿川の数多くの瀬の波音が、いっそう高まっていくのが聞こえる。

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詞花和歌集 - 大江匡房

わぎもこがこやの篠屋の五月雨に
いかで干すらむ夏引きの糸

いとしい妻が住む昆陽の篠葺きの小屋では、この降り続く五月雨の中で、どうやって夏引きの糸を干しているのだろうか。

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詞花和歌集

五月雨に難波堀江の澪標
見えぬや水のまさるなるらむ

五月雨のために難波の堀江の澪標が見えないのは、水かさが増しているからなのだろうか。

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詞花和歌集 - 小弁

藻塩焼く須磨の浦人うち絶えて
いとひやすらむ五月雨の空

藻塩を焼いて暮らす須磨の浦の人々は、塩焼きがすっかり途絶えてしまって、この五月雨の空を嫌っているだろうか。

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詞花和歌集 - 良暹

五月闇花橘に吹く風は
誰が里までか匂ひゆくらむ

五月闇の中、花橘に吹く風は、その香りを誰の里まで運んでゆくのだろうか。

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詞花和歌集 - 花山院

宿近く花橘は掘り植ゑじ
昔を偲ぶつまとなりけり

家の近くに花橘は掘って植えまい。昔を偲ぶきっかけとなってしまうのだから。

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詞花和歌集

薄く濃く垣穂に匂ふ撫子の
花の色にぞ露も置きける

薄い色、濃い色と、垣根に美しく咲き映える撫子の、その花の色に合わせて、露も置いていることだ。

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詞花和歌集 - 藤原顕季

種まきしわがなでしこの花盛り
いく朝露のおきて見つらむ

自分で種をまいた撫子が花盛りになるまで、露が置く幾朝を、起きては見守ってきたことだろう。

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詞花和歌集 - 藤原高遠

鳴く声も聞こえぬものの悲しきは
忍びに燃ゆる蛍なりけり

鳴く声も聞こえないものでありながら悲しいのは、人知れずひそかに燃えている蛍であったよ。

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詞花和歌集 - よみ人しらず

五月闇鵜川にともす篝火の
数ますものは蛍なりけり

五月闇の中、鵜飼の川にともす篝火の数を増やしているように見えるものは、蛍であったよ。

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詞花和歌集

風吹けば川辺涼しく寄る波の
立ち返るべき心地こそせね

風が吹くと川辺は涼しく、寄せては返す波のように、ここから立ち帰ろうという気にはとてもなれないことだ。

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詞花和歌集 - 曾禰好忠

杣川の筏の床の浮き枕
夏は涼しきふしとなりけり

杣川を下る筏の上の寝床に、水に浮かんだ枕で横たわると、夏には涼しい寝所となることだ。

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詞花和歌集 - 源道済

待つほどに夏の夜いたく更けぬれば
惜しみもあへぬ山の端の月

月の出を待っているうちに、夏の夜はすっかり更けてしまったので、出たと思えばもう惜しむ間もなく山の端に沈もうとする月であることよ。

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詞花和歌集 - 曾禰好忠

川上に夕立すらし水屑せく
簗瀬のさ波立ち騒ぐなり

川上で夕立が降っているらしい。水屑をせき止めている簗の瀬のさざ波が、騒がしく立ち騒いでいる。

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詞花和歌集

常よりも嘆きやすらむ七夕は
逢はまし暮れをよそに眺めて

織女はいつもの年よりも嘆いているのだろうか。本来なら逢えたはずの夕暮れを、よそごととして眺めて。

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詞花和歌集 - 相模

下紅葉一葉づつ散る木の下に
秋と覚ゆる蝉の声かな

下葉の紅葉が一枚ずつ散る木の下で聞くと、まるで秋のように感じられる蝉の声であることよ。

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