古典和歌stream

山家集 - 西行

罪人の死ぬる世もなく燃ゆる火の
薪なるらんことぞ悲しき

罪人が死ぬこともできずに、燃えさかる火の薪になっているであろうことが悲しい。

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山家集 - 西行

朝夕の子を養ひにすと聞けば
苦にすぐれても悲しかるらん

朝夕に産んだ子を食べて自らの養いにすると聞くと、餓鬼の苦しみは、ほかの苦しみにもまさって悲しいことであろう。

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山家集 - 西行

神楽歌に草取り飼ふはいたけれど
なほその駒になることは憂し

神楽歌に、草を取って駒に飼うと歌われるのは趣深いけれども、やはりその駒に生まれ変わることはつらい。

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山家集 - 西行

よしなしな争ふことを楯にして
怒りをのみも結ぶ心は

つまらないことだ。争うことを楯として、怒りばかりを心に結ぶ、その心は。

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山家集 - 西行

有り難き人になりけるかひありて
悟り求むる心あらなん

生まれることの難しい人間に生まれてきた甲斐があって、悟りを求める心があってほしいものだ。

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山家集 - 西行

雲の上の楽しみとてもかひぞなき
さてしもやがて住みし果てねば

雲の上の天上界の楽しみといっても甲斐のないことだ。そのままずっと住み続けることはできないのだから。

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山家集 - 西行

濁りたる心の水の少なきに
何かは月の影宿るべき

濁っている心の水が少ないところに、どうして月の光が宿ることがあろうか。

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山家集 - 西行

いかで我清く曇らぬ身になりて
心の月の影を磨かん

なんとかして私は清らかで曇りのない身となって、心の月の光を磨きたいものだ。

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山家集 - 西行

逃れなくつひに行くべき道をさは
知らではいかが過ぐべかりける

逃れることもできず、ついには誰もが行かなければならない死出の道を、それでは知らないでいて、どうして過ごしてゆけようか。

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山家集 - 西行

愚かなる心にのみや任すべき
師となることもあるなるものを

愚かな心にばかり身を任せてよいものだろうか。心の師となることもあると聞くのに。

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山家集 - 西行

野に立てる枝なき木にも劣りけり
後の世知らぬ人の心は

野に立っている枝のない木にも劣るのであった。後世のことを知らない人の心は。

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山家集 - 西行

身の憂さを思ひ知らでや止みなまし
背くならひのなき世なりせば

わが身のつらさを思い知ることもなく終わってしまったであろうか。世を捨てるという習わしのない世であったならば。

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山家集 - 西行

いづくにか身を隠さまし厭ひても
憂き世に深き山なかりせ

どこに身を隠せばよいだろう。この世を厭うても、憂き世のなかに深い山がなかったならば。

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山家集 - 西行

身の憂さの隠れ家にせん山里は
心ありてぞ住むべかりける

わが身のつらさを逃れる隠れ家にしようという山里には、心構えをもって住むべきであったのだ。

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山家集 - 西行

あはれ知る涙の露ぞこぼれける
草の庵を結ぶ契りは

しみじみと身にしみる涙の露がこぼれたことだ。草の庵を結ぶことになったこの宿縁には。

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山家集 - 西行

浮かれ出づる心は身にもかなはねば
いかなりとてもいかにかはせん

さまよい出てゆく心は、わが身の思うようにもならないので、どうなろうとも、どうしようもないことだ。

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