古典和歌stream

山家集 - 西行

住むことは所がらぞと言ひながら
高野はもののあはれなるかな

住むことは場所によるものだとは言うけれども、高野山はやはりしみじみと心にしみる所であることよ。

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山家集 - 西行

浅く出でし心の水やたたふらん
すみゆくままに深くなるかな

初めは浅く出た心の水が満ちてきたのであろうか。山に住み、心が澄んでゆくにつれて、深くなってゆくことだ。

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山家集 - 西行

嵐のみ時々窓におとづれて
明けぬる空の名残をぞ思ふ

嵐だけが時々窓を訪れて音を立て、明けてしまった空に残る夜の名残を思うことだ。

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山家集 - 西行

今宵こそあはれみあつき心地して
嵐の音をよそに聞きつれ

今宵こそは、お慈悲の厚さとともに、いただいた小袖の厚さを身に感じる心地がして、嵐の音をよそごとのように聞いたことだ。

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山家集 - 西行

露漏らぬ岩屋も袖は濡れけりと
聞かずはいかがあやしからまし

露も漏らない岩屋でも袖は濡れたのだと聞いていなかったならば、どんなに不思議に思ったことだろう。

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山家集 - 西行

分けきつる小笹の露にそぼちつつ
干しぞわづらふ墨染の袖

分け入ってきた小笹の露にぐっしょりと濡れながら、乾かしかねている墨染の袖であることよ。

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山家集 - 西行

袈裟の色や若紫に染めてける
苔の袂を思ひ返して

袈裟の色を若紫に染めてしまったのか。苔の衣の粗末な袂を、思い返して捨てて。

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山家集

消えぬべき露の命も君が問ふ
言の葉にこそ起きゐられけれ

消えてしまいそうな露のような命も、あなたが見舞ってくださる言葉によって、起きていることができたことだ。

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山家集 - 西行

吹き過ぐる風しやみなば頼もしみ
秋の野もせの露の白玉

吹き過ぎる風さえやんだならば、頼もしいことだ。秋の野一面に置く露の白玉は。

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山家集 - 西行

琴の音に涙を添へて流すかな
絶えなましかばと思ふあはれに

琴の音に涙を添えて流すことだ。もし命が絶えていたならばと思う、その哀れさに。

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山家集 - 小侍従

頼むべきこともなき身を今日までも
何にかかれる玉の緒ならん

頼みにすることもない身なのに、今日まで、いったい何につなぎとめられている命なのだろう。

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山家集 - 西行

定めなし風煩はぬ折だにも
またこんことを頼むべき世か

定めのない世だ。風邪を患っていないときでさえ、また来ようということを頼みにできる世であろうか。

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山家集 - 西行

あだに散る木の葉につけて思ふかな
風誘ふめる露の命を

はかなく散る木の葉を見るにつけて思うことだ。風が誘って散らしてしまいそうな、露のような命を。

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山家集 - 西行

我なくはこの里人や秋深き
露を袂にかけて偲ばん

私が死んでいなくなったら、この里の人々は、秋の深い露を袂にかけて、涙ながらに私を偲んでくれるだろうか。

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山家集 - 西行

さまざまにあはれ多かる別れかな
心を君が宿にとどめて

さまざまに哀れの多い別れであることよ。私の心をあなたの家に留めて去ってゆくのだから。

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山家集 - 西行

帰れども人の情けに慕はれて
心は身にも添はずなりぬる

山寺に帰りはするけれども、人々の情けに引かれて、心は身にも添わなくなってしまったことだ。

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