古典和歌stream

山家集 - 西行

鶯の声に悟りを得べきかは
聞く嬉しきもはかなかりけり

鶯の声によって悟りを得ることができようか。それを聞いて嬉しく思うのも、はかないことであった。

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山家集 - 西行

過ぎて行く羽風なつかし鶯に
なづさひけりな梅の立枝に

過ぎてゆく鶯の羽風がなつかしい。鶯に慣れ親しんだのであったな、梅の高く伸びた枝で。

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山家集 - 西行

山もなき海の面にたなびきて
波の花にもまがふ白雲

山もない海の面にたなびいて、波の花にも見間違えるような白雲であることよ。

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山家集 - 西行

同じくは月の折咲け山桜
花見る夜半の絶え間あらせじ

どうせ咲くのなら、月の明るい時に咲け、山桜よ。花を見る夜の間に、途切れがないようにしよう。

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山家集 - 西行

古畑の岨の立つ木にゐる鳩の
友呼ぶ声にすごき夕暮

荒れた古畑の険しい斜面に立つ木にとまっている鳩が、友を呼ぶその声に、ぞっとするほど寂しい夕暮れであることよ。

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山家集 - 西行

波につきて磯廻にいます荒神は
潮踏む禰宜を待つにやあるらん

波に沿って磯辺に鎮座しておられる荒神は、潮を踏んで仕えに来る禰宜を待っておられるのであろうか。

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山家集 - 西行

潮風に伊勢の浜荻伏せばまづ
ほすしほ波のあらたむるかな

潮風に伊勢の浜荻がなびき伏すと、まず潮の波がそれを洗い改めることだ。

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山家集 - 西行

荒磯の波にそなれて這ふ松は
鶚のゐるぞたよりなりける

荒磯の波に打たれて地を這うように伸びた松は、鶚がとまることがよりどころであった。

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山家集 - 西行

浦近み枯れたる松の梢には
波の音をや風は借るらん

浦が近いので、枯れた松の梢では、風は波の音を借りて鳴っているのだろうか。

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山家集 - 西行

淡路島瀬戸のなごろは高くとも
この潮にだに押し渡らばや

淡路島の瀬戸の余波は高くても、せめてこの潮の機会に押し切って渡りたいものだ。

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山家集 - 西行

潮路行くかこみの艫櫓心せよ
またうづ速き瀬戸渡るほど

潮路を行く舟の水夫たちよ、艫の櫓に気をつけよ。また渦の速い瀬戸を渡る間は。

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山家集 - 西行

磯に折る波の険しく見ゆるかな
沖になごろや高く行くらん

磯に砕ける波が荒々しく見えることだ。沖では余波が高く立っているのだろうか。

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山家集 - 西行

おぼつかな伊吹颪の風先に
朝妻舟は逢ひやしぬらん

気がかりなことだ。伊吹山から吹きおろす風の先に、朝妻の舟は出会ってしまったのではないだろうか。

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山家集 - 西行

くれ舟よ朝妻渡り今朝なせそ
伊吹の岳に雪しまくめり

舟よ、今朝は朝妻の渡りをしてはならない。伊吹の山に雪が吹きすさんでいるようだ。

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山家集 - 西行

近江路やのちの旅人急がなん
やす河原とて遠からぬかは

近江路よ、後から来る旅人は急いでほしい。安いという名の野洲河原だからといって、遠くないことがあろうか。

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山家集 - 西行

里人の大幣小幣立て並めて
馬形結ぶ野辺になりけり

里人が大幣や小幣を立て並べて、馬形を結びつけて祭る野辺になったことだ。

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