古典和歌stream

山家集 - 西行

とをちさすひたの面に引く潮に
沈む心ぞ悲しかりける

とをちさすひたの面に引いてゆく潮に、沈んでゆく心が悲しいことだ。

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山家集 - 西行

籬に咲く花に睦れて飛ぶ蝶の
羨ましくもはかなかりけり

垣根に咲く花に親しんで飛ぶ蝶が、うらやましくもあり、またはかなくもあることだ。

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山家集 - 西行

移りゆく色をば知らず言の葉の
名さへあだなる露草の花

移ろいやすい色のことはともかく、その名前までもはかない露草の花であることよ。

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山家集 - 西行

風吹けばあだに破れゆく芭蕉葉の
あればと身をも頼むべきかは

風が吹けばはかなく破れてゆく芭蕉の葉のように、今生きているからといって、わが身を頼みにできようか。

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山家集 - 西行

古郷の蓬は宿の何なれば
荒れゆく庭にまづ茂るらん

古い里の蓬は、この家の何であるというので、荒れてゆく庭にまっ先に茂るのだろう。

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山家集 - 西行

古里は見し世にも似ずあせにけり
いづち昔の人行きにけん

古い里は、かつて見た頃とは似ても似つかず荒れ果ててしまった。昔の人はどこへ行ってしまったのだろう。

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山家集 - 西行

時雨るれば山めぐりする心かな
いつまでとのみうちしをれつつ

時雨が降ると、時雨とともに山々をめぐる心であることよ。いつまでこうしていられるのかとばかり思って、しおれながら。

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山家集 - 西行

はらはらと落つる涙ぞあはれなる
たまらずものの悲しかるべし

はらはらとこぼれ落ちる涙がしみじみと哀れである。こらえきれずに、きっと物悲しいのであろう。

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山家集 - 西行

何となく芹と聞くこそあはれなれ
摘みけん人の心知られて

何ということもなく、芹と聞くとしみじみと哀れである。芹を摘んだという人の心が思い知られて。

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山家集 - 西行

山人よ吉野の奥のしるべせよ
花も尋ねんまた思ひあり

山人よ、吉野の奥への道案内をしておくれ。花も尋ねたいし、またほかにも思うところがあるのだ。

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山家集 - 西行

わび人の涙に似たる桜かな
風身にしめばまづこぼれつつ

悲しみに沈む人の涙に似た桜であることよ。風が身にしみると、まっ先にこぼれ落ちて。

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山家集 - 西行

吉野山やがて出でじと思ふ身を
花散りなばと人や待つらん

吉野山に入ったら、そのまま出るまいと思っているこの身を、花が散ったら帰って来るだろうと、都の人は待っているのだろうか。

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山家集 - 西行

人も来ず心も散らで山陰は
花を見るにもたよりありけり

人も来ず、心も散ることがないので、山陰の住まいは、花を見るのにも都合がよいのであった。

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山家集 - 西行

風の音に物思ふ我が色染めて
身にしみわたる秋の夕暮

風の音によって、物思いをする私の心の色を染めて、身にしみわたる秋の夕暮れであることよ。

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山家集 - 西行

我なれや風を煩ふ篠竹は
おきふしものの心細くて

私自身なのであろうか、風に悩まされる篠竹は。起きては伏し、何とも心細そうで。

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山家集 - 西行

来ん世にもかかる月をし見るべくは
命を惜しむ人なからまし

もし来世でもこのような月を見ることができるのならば、命を惜しむ人はいないだろうに。

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