古典和歌stream

山家集 - 西行

吹き乱る風になびくと見るほどに
春を結べる青柳の糸

吹き乱れる風になびいていると見ているうちに、散りかかる花を結びとめて、春を結んでいる青柳の糸であることよ。

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山家集 - 西行

紅葉見し高野の峰の花盛り
頼めぬ人の待たるるやなに

ともに紅葉を見た高野の峰が、今は花盛りである。来ると約束してもいない人がつい待たれるのは、なぜなのだろう。

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山家集 - 寂然

共に見し峰の紅葉のかひなれや
花の折にも思ひ出でける

ともに見た峰の紅葉の甲斐があったのだろうか。花の季節にも私を思い出してくださったことだ。

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山家集 - 西行

庭よりは鷺ゐる松の梢にぞ
雪は積もれる夏の夜の月

庭よりもむしろ、鷺のとまっている松の梢にこそ雪が積もっているように見える。夏の夜の月の光のもとで。

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山家集 - 西行

松が根の岩田の岸の夕涼み
君があれなと思ほゆるかな

松の根の張る岩田川の岸での夕涼みに、あなたがここにいてくれたらと思われることだ。

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山家集 - 西行

葛城や正木の色は秋に似て
よその梢は緑なるかな

葛城山よ。正木の葛の色は秋のように紅葉しているのに、よその木々の梢はまだ緑であることよ。

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山家集 - 西行

汲みてなど心通はば訪はざらん
出でたるものをきくの下水

心が通っているならば、どうして汲み取って訪ねてくれないのだろう。山を出てきたというのに、菊の下を流れる水よ、それを聞いてはいないのか。

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山家集 - かくくゑん阿闍梨

谷深くすむかと思ひて訪はぬ間に
恨みをむすぶ菊の下水

あなたがまだ谷深く住んでいるのかと思って訪ねずにいるうちに、菊の下水を掬うように、恨みを結ばせてしまったことだ。

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山家集 - 西行

思へただ暮れぬと聞きし鐘の音は
都にてだに悲しかりしを

ただ思ってもみよ。日が暮れたと告げて聞こえた鐘の音は、都にいてさえ悲しかったのに。まして旅の空ではどれほどか。

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山家集 - 西行

嵐吹く峰の木の葉に伴ひて
いづちうかるる心なるらん

嵐の吹く峰の木の葉とともに、いったいどこへさまよい出ていく心なのだろうか。

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山家集 - 藤原成通

なにとなく落つる木の葉も吹く風に
散りゆく方は知られやはせぬ

なんということもなく落ちる木の葉でも、吹く風によって散ってゆく方向は知られないことがあろうか、いや、おのずと知られるものだ。

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山家集 - 西行

あくがれし心を道のしるべにて
雲に伴ふ身とぞなりぬる

あこがれさまよい出た心を道案内として、雲とともに行く身となったことだ。

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山家集 - 元性

山の端に月すむまじと知られにき
心の空になると見しより

山の端に月はとどまって澄むまいと、自然と知られたことだ。心が上の空になっていると見たその時から。

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山家集 - 西行

心をば深き紅葉の色に染めて
別れて行くや散るになるらん

心を深い紅葉の色に染めておいて、別れて去ってゆくことが、紅葉の散ることにあたるのだろうか。

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山家集 - 西行

涙のみかきくらさるる旅なれや
さやかに見よと月は澄めども

涙ばかりで目の前が暗くなってしまう旅であるからだろうか。はっきりと見よとばかりに月は澄んでいるけれども。

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山家集 - 西行

身にもしみ物あはれなるけしきさへ
あはれを責むる風の音かな

身にもしみ、もの悲しい景色であるのに、そのうえさらに哀れをせき立てる風の音であることよ。

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