古典和歌stream

山家集 - 西行

程遠み通ふ心のゆくかり
なほ書き流せ水茎の跡

遠く隔たっているので、通い合う心が行き届くほどに、やはり書き流してほしい、筆の跡を。

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山家集

いとどしく憂きにつけても頼むかな
契りし道のしるべ違ふな

ますますつらいことにつけても、あなたを頼りに思うことよ。約束した仏の道への道案内を、どうか違えないでほしい。

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山家集

かかりける涙に沈む身の憂さを
君ならで又誰か浮かべん

このように涙に沈む身のつらさを、あなたでなくて、ほかに誰が浮かび上がらせてくれるでしょうか。

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山家集 - 西行

頼むらんしるべもいさや一つ世の
別れにだにも惑ふ心は

あなたが頼りにしているという道案内も、さあ、どうだろうか。この世での別れにさえ惑う私の心では。

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山家集 - 西行

流れ出づる涙に今日は沈むとも
浮かばん末をなほ思はなん

流れ出る涙に今日は沈んでいても、やがて浮かび上がる行く末を、やはり思ってほしい。

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山家集 - 西行

さりともとなほ逢ふことを頼むかな
死出の山路を越えぬ別れは

それでもいつかはと、やはりまた会えることを頼みに思うことよ。死出の山路を越えて行くのではない、この世での別れであるからには。

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山家集 - 西行

この春は君に別れの惜しきかな
花の行方を思ひ忘れて

この春は、あなたとの別れが惜しいことよ。いつもは気にかける花の行方も思い忘れて。

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山家集 - 六角局

君が去なん形見にすべき桜さへ
名残あらせず風誘ふなり

あなたが去ってしまう、その形見にしようと思っていた桜までも、名残をとどめさせずに、風が誘って散らしてゆくようだ。

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山家集 - 西行

昔見し松は老い木になりにけり
我が年経たるほども知られて

昔見た松は老木になってしまった。自分が年を重ねてきたほどもおのずと知られて。

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山家集 - 西行

竹の音も荻吹く風の少なきに
たぐへて聞けばやさしかりけり

竹の葉音も、荻を吹く風の音が少ないのに添えて聞くと、優美なものであったよ。

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山家集 - 西行

よよ経とも竹の柱のひとすぢに
立てたるふしは変はらざらなん

幾世を経ても、竹の柱がまっすぐ一筋に立っているように、ひたすらに立てたその節、志は変わらないでほしい。

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山家集 - 西行

あはれたる草の庵の寂しさは
風よりほかに訪ふ人ぞなき

しみじみとした草の庵の寂しさは、風のほかには訪ねてくる人もいないことだ。

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山家集 - 西行

あはれなりよりより知らぬ野の末に
鹿を友に馴るる住みかは

しみじみと哀れなことだ。時折にも人の知らない野の果てで、鹿を友として馴れ親しむ住みかは。

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山家集 - 西行

山水のいつ出づべしと思はねば
心はそくてすむと知らずや

山の水のように、いつ山を出ようとも思っていないので、心細く思いながらも、心は澄んで住んでいると知らないのか。

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山家集 - 西行

影薄み松の絶え間を漏り来つつ
心細しや三日月の空

光が淡いので、松の枝の切れ間から漏れてきては、心細いことよ、三日月の空は。

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山家集 - 西行

今日もまた松の風吹く岡へ行かん
昨日涼みし友に逢ふやと

今日もまた、松風の吹く岡へ行こう。昨日ともに涼んだ友に会えるだろうかと。

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