古典和歌stream

山家集 - 西行

子の日する野辺の我こそ主なるを
五葉なしとて引く人のなき

子の日の遊びをする野辺では、私こそが主であるのに、五葉でないからといって、引いてくれる人がいないことだ。

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山家集 - 西行

この春は枝々までに栄ゆべし
枯れたる木だに花は咲くめり

この春は、枝々に至るまで栄えるにちがいない。枯れた木にさえ花は咲くようであるから。

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山家集 - 西行

あはれにぞ深き誓ひの頼もしき
清き流れの底汲まれつつ

しみじみと、深い誓いが頼もしく思われることだ。清らかな流れの底まで汲み取られるように、心の奥底まで汲み取られて。

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山家集 - 西行

行く末の名にやながれん常よりも
月澄みわたる白河の水

行く末までその名が流れ伝わるのだろうか。いつにもまして月が澄みわたって映る、白河の水は。

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山家集 - 西行

風立たで波を収むる浦々に
小貝を群れて拾ふなりけり

風も立たずに波の静まっている浦々で、人々は群れをなして小貝を拾うのであったよ。

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山家集 - 西行

難波潟潮干は群れて出で立たん
白洲の崎の小貝拾ひに

難波潟では、潮の引いた時には群れをなして出かけよう。白洲の崎の小貝を拾いに。

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山家集 - 西行

風吹けば花咲く波のをるたびに
桜貝寄る三島江の浦

風が吹くと花の咲くように白く砕ける波が折れるたびに、桜貝が打ち寄せられる三島江の浦であることよ。

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山家集 - 西行

波洗ふ衣の浦の神貝を
汀に風のたたみ置くかな

波が洗う衣の浦の貝を、波打ち際に風が衣をたたむように置いていくことよ。

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山家集 - 西行

波かくる吹上の浜の簾貝
風もぞ下ろす急ぎ拾はん

波がかかる吹上の浜の簾貝よ。風が吹き下ろしてさらっていってしまうといけない、急いで拾おう。

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山家集 - 西行

潮染むるますほの小貝拾ふとて
色の浜とは言ふにやあるらん

潮が赤く染めるますほの小貝を拾うということで、色の浜と言うのであろうか。

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山家集 - 西行

波伏する竹の泊りの雀貝
嬉しきよにも逢ひにけるかな

波の打ち伏す竹の泊りの雀貝は、嬉しい御代にもめぐり逢ったことよ。

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山家集 - 西行

波寄する白良の浜の烏貝
拾ひやすくも思ほゆるかな

波の寄せる白良の浜の烏貝は、白い浜に黒く目立って、拾いやすく思われることよ。

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山家集 - 西行

かひありな君が御袖に覆はれて
心にあはぬこともなき世は

生きる甲斐があることだなあ。わが君の御袖に覆われて、心に添わないことも何一つないこの御代は。

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山家集 - 西行

山深みさこそあらめと聞こえつつ
音あはれなる谷の川水

山が深いので、なるほどこうもあろうかと思われるように聞こえてきて、音のしみじみと哀れな谷川の水であることよ。

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山家集 - 西行

山深み槙の葉分くる月影は
はげしきものの凄きなりけり

山が深いので、槙の葉を分けて差し込む月の光は、鋭く激しいもので、ぞっとするほど寂しいものであったよ。

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山家集 - 西行

山深み窓のつれづれ訪ふものは
色づき初むる櫨の立ち枝

山が深いので、窓辺の所在ない退屈を慰めに訪れてくるものは、色づきはじめた櫨のまっすぐ伸びた枝であることよ。

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