金葉和歌集 - 源経信
美しい柏の木が、庭でも葉を広げるようになったことだ。これこそ、木綿を垂らして神を祭る季節なのだろうか。
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金葉和歌集 - 藤原公実
雪の白さを奪い取ったように白く咲いている卯の花を見て、小野の里の人よ、冬が来たと思って冬ごもりなどしないでくれ。
金葉和歌集 - 大江匡房
どれを特に選んで折ればよいのだろうか。山里の垣根にずっと続いて咲いている卯の花を。
金葉和歌集
雪とすっかり見まがうというわけでもなく、卯の花は、日が暮れると月の光かとも見える。
金葉和歌集 - 藤原忠通
卯の花の咲かない垣根などどこにもないけれども、卯の花の名所として名が世に流れ広まっているのは玉川の里である。
神山の麓に咲いている卯の花は、誰が標を結って囲った垣根なのだろうか。
身分の低い女が葦を焚く粗末な家も、卯の花が咲きかかっているので、みすぼらしくは見えないことだ。
金葉和歌集 - 藤原顕季
深い山を出てきて、まだ人里になじんでいないほととぎすは、旅の空にあるような心細い声で鳴いているのだろうか。
今日もまた、ほととぎすを探し求めて一日を過ごしてしまった。いったいどうすれば聞くことのできる初音なのだろうか。
ほととぎすの姿は水面に映るけれども、その声は水に映らないものであったことだ。
ほととぎすが鳴いたよと語る、人づてに聞いた言葉さえもうれしいことだ。
ほととぎすよ、その声を求めて音羽山の麓まで訪ねて行ったのに、その声を今夜ここで聞くことだ。
毎年聞いてはいるけれど、ほととぎすの声は古びることのないものであったことだ。
恋をしているという根も葉もない評判が立つだろうか。ほととぎすを待って寝ない夜の数が積み重なるので。
金葉和歌集 - 藤原顕輔
ほととぎすの声を求めて、心も上の空にさまよい出て、夜に家を空けがちになってしまう、深い山辺の里であることだ。
ほととぎすが、聞き飽きないうちに過ぎ去ってしまったその声のために、跡形もない空をぼんやりと眺めてしまったことだ。