古典和歌stream

山家集 - 西行

月に恥ぢてさし出でられぬ心かな
眺むが袖に影の宿れば

月に恥じて、表に出ることができない心であることよ。眺めている私の袖に、月の光が涙に宿って映るので。

詳細を見る

山家集 - 西行

心をば見る人ごとに苦しめて
何かは月の取り所なる

見る人ごとに心を苦しめておいて、いったい何が月の取り柄だというのだろう。

詳細を見る

山家集 - 西行

露けさは憂き身の袖の癖なるを
月見る咎に負ほせつるかな

袖が涙に濡れているのは、つらい我が身の袖の癖であるのに、それを月を見たせいにしてしまったことよ。

詳細を見る

山家集 - 西行

眺め来て月いかばかり偲ばれん
この世し雲の外になりなば

長年眺めてきた月が、どれほど懐かしく思われることだろう。この世が雲の彼方の遠いものとなってしまったならば。

詳細を見る

山家集 - 西行

いつか我この世の空を隔たらん
あはれあはれと月を思ひて

いつか私はこの世の空から遠く隔たってしまうのだろう。ああ、ああ、と月をしみじみ思いながら。

詳細を見る

山家集 - 西行

露もありつ返す返すも思ひ知りて
ひとりぞ見つる朝顔の花

露も置いていたのに、もう消えてしまった。繰り返しはかなさを思い知って、一人で見たことだ、朝顔の花を。

詳細を見る

山家集 - 西行

ひときれは都を捨てて出づれども
巡りてはなほ木曽の懸け橋

いったんは都を捨てて出たけれども、めぐりめぐって、やはり木曽の懸け橋のような危うい道を渡っている。

詳細を見る

山家集 - 西行

捨てたれど隠れて住まぬ人になれば
なほ世にあるに似たるなりけり

世を捨てたけれども、隠れ住まない人になってしまったので、やはり世にいるのと似たようなものであったよ。

詳細を見る

山家集 - 西行

世の中を捨てて捨て得ぬ心地して
都離れぬ我が身なりけり

世の中を捨てたのに、捨てきれない心地がして、都から離れられない我が身であったよ。

詳細を見る

山家集 - 西行

捨てし折の心をさらに改めて
見る世の人に別れ果てなん

世を捨てた時の心をさらに新たにして、今見ている世の人々と、すっかり別れてしまおう。

詳細を見る

山家集 - 西行

思へ心人のあらばや世にも恥ぢん
さりとてやはと諫むばかりぞ

考えてもみよ、心よ。人がいるならば世間にも恥じよう。それでもなお、そうしてよいものかと、自らを諫めるばかりである。

詳細を見る

山家集 - 西行

呉竹のふし繁からぬよなりせば
この君はとてさし出でなまし

呉竹の節のように、憂きことの多くない世の中であったならば、この君こそはと、進み出て仕えもしただろうに。

詳細を見る

山家集 - 西行

悪し善しを思ひ分くこそ苦しけれ
ただあらさればあられける身を

善し悪しを思い分けることこそ苦しいものだ。ただあるがままにしていれば、そのまま生きていられる身なのに。

詳細を見る

山家集 - 西行

深く入るは月ゆゑとしもなきものを
うき世しのばんみ吉野の山

深く山に入るのは、月のためというわけでもないのに。つらい世を忍んで住もう、み吉野の山に。

詳細を見る

山家集 - 西行

この里や嵯峨の御狩の跡ならん
野山も果てはあせ変はりけり

この里は、嵯峨の帝の御狩の跡であろうか。野山さえも、ついには荒れ変わってしまったことよ。

詳細を見る

山家集 - 西行

庭の岩に目立つる人もなからまし
かどあるさまに立てし置かずは

庭の岩に目を留める人もいなかっただろう。もし趣のある姿に立てて置かなかったならば。

詳細を見る