古典和歌stream

山家集 - 西行

流れ見し岸の木立もあせ果てて
松のみこそは昔なるらめ

かつて滝の流れを見た岸の木立もすっかり荒れ果てて、松だけが昔のままなのであろう。

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山家集 - 西行

瀬を早み宮滝川を渡り行けば
心の底の澄む心地する

瀬の流れが速いので、宮滝川を渡ってゆくと、心の底まで澄みわたるような心地がする。

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山家集 - 西行

思ひ出でて誰かはとめて分けも来ん
入る山道の露の深さを

私を思い出して、誰が跡を尋ねて分け入って来るだろうか。私の入ってゆく山道の、露の深さを。

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山家集 - 西行

呉竹の今いくよかは起き伏して
庵の窓をあけおろすべき

呉竹の節のように、あと幾夜、起きたり寝たりして、庵の窓を開けたり閉めたりすることになるのだろう。

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山家集 - 西行

その筋に入りなば心何しかも
人目思ひて世に包むらん

その仏道の筋に入ったならば、心よ、どうして人目を気にして、世間に対して包み隠したりするのだろう。

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山家集 - 西行

緑なる松に重なる白雪は
柳の衣を山に覆へる

緑の松に重なり積もる白雪は、柳襲の衣を山に覆いかけているようだ。

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山家集 - 西行

盛りならぬ木もなく花の咲きにけると
思へば雪を分くる山道

盛りでない木もなく、どの木にも花が咲いたのだと思ったら、雪を分けて行く山道であった。

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山家集 - 西行

波と見ゆる雪を分けてぞ漕ぎ渡る
木曽の懸け橋底も見えねば

波のように見える雪を分けて、まるで舟を漕ぐように渡ってゆく。木曽の懸け橋は、谷底も見えないので。

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山家集 - 西行

真鶴は沢の氷の鏡にて
千歳の影をもてやなすらん

真鶴は、沢に張った氷を鏡として、千年の長寿の姿をそこに映し出しているのだろうか。

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山家集 - 西行

沢も解けず摘めど筐にとどまらで
目にもたまらぬゑぐの草茎

沢もまだ解けず、摘んでも籠にはとどまらずに、目にも留まらないほどのえぐの草の茎であることよ。

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山家集 - 西行

君がすむ岸の岩より出づる水の
絶えぬ末をぞ人も汲みける

あなたが住む岸の岩から湧き出る澄んだ水の、絶えることのない流れの末を、人々も汲んできたことだ。

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山家集 - 西行

田代見ゆる池の堤のかさ添へて
湛ふる水や春の夜のため

田の見える池の堤の高さを増して、たたえている水は、春の夜のためなのだろうか。

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山家集 - 西行

庭に流す清水の末を堰き止めて
門田養ふ心にもあるかな

庭に流している清水の末を堰き止めて、門前の田を養おうとする心でもあることよ。

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山家集 - 西行

伏見過ぎぬ岡の屋になほ留まらじ
日野まで行きて駒試みん

伏見は過ぎた。岡の屋にもやはりとどまるまい。日野まで行って、馬の脚を試してみよう。

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山家集 - 西行

秋の色は風ぞ野もせに敷き渡す
時雨は音を袂にぞ聞く

秋の色は、風が野一面に敷き広げる。時雨は、その音を袂で聞くことだ。

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山家集 - 西行

時雨初むる花園山に秋暮れて
錦の色をあらたむるかな

時雨が降りはじめた花園山で秋が暮れて、錦の色を改めて新たにすることよ。

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