古典和歌stream

山家集 - 西行

春風の花の吹雪に埋まれて
ゆきもやられぬ志賀の山道

春風が吹き散らす花の吹雪に埋もれて、雪に閉ざされたように先へ進んで行くこともできない志賀の山道よ。

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山家集 - 西行

立ちまがふ峰の雲をば払ふとも
花を散らさぬ嵐なりせば

花と入り乱れて見分けのつかない峰の雲を吹き払うとしても、花だけは散らさない嵐であったならよいのに。

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山家集 - 西行

吉野山花吹き具して峰越ゆる
嵐は雲とよそに見ゆらん

吉野山の花を吹き連れて峰を越えていく嵐は、よそから見れば雲のように見えることだろう。

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山家集 - 西行

惜しまれぬ身だにも世にはあるものを
あなあやにくの花の心や

誰にも惜しまれない私のような身でさえ、この世に長らえているというのに、ああ、なんと意地の悪い花の心であることか。

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山家集 - 西行

憂き世にはとどめおかじと春風の
散らすは花を惜しむなりけり

このつらい世には花をとどめておくまいと、春風が花を散らすのは、実は花を惜しんでいるからなのだった。

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山家集 - 西行

もろともに我をも具して散りね花
憂き世をいとふ心ある身ぞ

一緒に私も連れて散っておくれ、花よ。私もまた、このつらい世を厭う心を持つ身なのだ。

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山家集 - 西行

思へただ花の散りなん木の下に
何を陰にて我が身住みなん

ただ考えてもみよ。花が散ってしまった後の木の下で、何を陰とし、頼りとして、我が身は住めばよいのだろう。

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山家集 - 西行

眺むとて花にもいたく馴れぬれば
散る別れこそ悲しかりけれ

眺めようとして、花にもすっかり慣れ親しんでしまったので、散って別れることがいっそう悲しいことだ。

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山家集 - 西行

惜しめども思ひげもなくあだに散る
花は心ぞかしこかりける

いくら惜しんでも、未練の気配も見せずにはかなく散っていく花は、その心が賢明なのであった。

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山家集 - 西行

梢吹く風の心はいかがせん
従ふ花の恨めしきかな

梢を吹く風の心はどうしようもない。その風に素直に従って散る花のほうが恨めしいことだ。

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山家集 - 西行

いかでかは散らであれとも思ふべき
しばしと慕ふ嘆き知れ花

どうして散らずにいてくれとまで思えようか。ただ、しばらくの間だけでもと慕うこの嘆きを知っておくれ、花よ。

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山家集 - 西行

木の下の花に今宵は埋もれて
飽かぬ梢を思ひ明かさん

木の下に散り敷いた花に今夜は埋もれて、いくら見ても飽きることのない梢の花を思いながら夜を明かそう。

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山家集 - 西行

木の下に旅寝をすれば吉野山
花の衾を着する春風

木の下で旅寝をすると、吉野山では、春風が花びらの夜具を私に着せかけてくれる。

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山家集 - 西行

雪と見えて風に桜の乱るれば
花のかさ着る春の夜の月

雪かと見えるほど風に桜が乱れ散るので、春の夜の月は、花の笠をかぶっているかのように暈をまとって見える。

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山家集 - 西行

散る花を惜しむ心やとどまりて
また来ん春の種になるべき

散る花を惜しむ心がこの世にとどまって、また来る春に花を咲かせる種となるのだろうか。

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山家集 - 西行

春深み枝も揺るがで散る花は
風の咎にはあらぬなるべし

春が深まったので、枝も揺れないのに散る花は、風のせいではないのだろう。

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