古典和歌stream

金槐和歌集 - 源実朝

山吹の花のしづくに袖濡れて
昔おぼゆる玉川の里

山吹の花のしずくに袖が濡れて、昔が思い出される玉川の里よ。

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金槐和歌集 - 源実朝

山吹の花の盛りになりぬれば
井手のわたりに行かぬ日ぞなき

山吹の花の盛りになったので、井手のあたりに出かけない日はない。

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金槐和歌集 - 源実朝

玉藻刈る井手のしがらみ春かけて
咲くや川瀬の山吹の花

玉藻を刈る井手のしがらみに、春をかけて咲いているのだなあ、川瀬の山吹の花は。

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金槐和歌集 - 源実朝

玉藻刈る井手の川風吹きにけり
水泡に浮かぶ山吹の花

玉藻を刈る井手の川に風が吹いたのだなあ。水の泡に浮かんでいる山吹の花よ。

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金槐和歌集 - 源実朝

声高み蛙鳴くなり井手の川
岸の山吹今は散るらむ

声高く蛙が鳴いているようだ。井手の川の岸の山吹は、今ごろはもう散っているだろう。

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金槐和歌集 - 源実朝

立ち返り見れども飽かず山吹の
花散る岸の春の川波

何度引き返して見ても見飽きない。山吹の花が散る岸辺に寄せる、春の川波は。

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金槐和歌集 - 源実朝

今幾日春しなければ春雨に
濡るとも折らむ山吹の花

もうあと幾日も春は残っていないのだから、春雨に濡れようとも折り取ろう、山吹の花を。

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金槐和歌集 - 源実朝

わが宿の八重の山吹露を重み
うち払ふ袖のそぼちぬるかな

我が家の八重の山吹は露が重いので、その露を払う袖がしっとりと濡れてしまったことだ。

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金槐和歌集 - 源実朝

春雨の露の宿りを吹く風に
こぼれて匂ふ山吹の花

春雨の露が宿る花を吹く風に、露がこぼれ落ちて、いっそう美しく照り映える山吹の花よ。

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金槐和歌集 - 源実朝

わが心いかにせよとか山吹の
うつろふ花にあらし立つらむ

私の心をいったいどうしろというのか。色あせてゆく山吹の花に、嵐が吹き立っているのだろう。

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金槐和歌集 - 源実朝

おのづからあはれとも見よ春深み
散り残る岸の山吹の花

おのずと、しみじみいとしいものと見てほしい。春が深まって、散り残っている岸の山吹の花を。

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金槐和歌集 - 源実朝

散り残る岸の山吹春深み
この一枝をあはれといはなむ

散り残っている岸の山吹の、春も深まった今のこの一枝を、しみじみいとしいと言ってほしい。

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金槐和歌集 - 源実朝

春深み嵐もいたく吹く宿は
散り残るべき花もなきかな

春が深まって、嵐もひどく吹く我が家では、散り残っているはずの花もないことだ。

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金槐和歌集 - 源実朝

眺めこし花もむなしく散り果てて
はかなく春の暮れにけるかな

物思いにふけりながら眺めてきた花もむなしく散り果てて、はかなく春は暮れてしまったことだ。

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金槐和歌集 - 源実朝

いづかたに行き帰るらむ春霞
立ち出でて山の端にも見えなくに

どちらの方へ去って帰っていくのだろう、春霞は。立ち出ていったのに、山の端にも見えないことよ。

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金槐和歌集 - 源実朝

行く春の形見と思ふにあまつ空
有明の月は影も絶えにき

過ぎゆく春の形見と思っていたのに、大空の有明の月は、その光も消えてしまった。

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