古典和歌stream

山家集 - 西行

月にいかで昔のことを語らせて
影に添ひつつ立ちも離れじ

月になんとかして昔のことを語らせて、その光に寄り添いながら、立ち離れることはするまい。

詳細を見る

山家集 - 西行

憂き世とし思はでも身の過ぎにける
月の影にもなづさはりつつ

ここを憂き世だと思うこともないままに、わが身は過ぎてしまったことだ。月の光にも、なれ親しみながら。

詳細を見る

山家集 - 西行

雲につきて浮かれのみゆく心をば
山にかけてを留めんとぞ思ふ

雲につき従って、さまよい出てばかりゆく心を、山につなぎかけてでも、とどめようと思う。

詳細を見る

山家集 - 西行

捨てて後はまぎれし方は覚えぬを
心のみをば世にあらせける

世を捨ててからは、俗事にまぎれていたころのことはもう覚えていないのに、心だけは、なおこの世にとどめていたことだ。

詳細を見る

山家集 - 西行

塵つかでゆがめる道を直くなして
行く行く人を世に仕へばや

塵に汚れることなく、ゆがんでいる道をまっすぐに直して、道を行く人のために、世に仕えたいものだ。

詳細を見る

山家集 - 西行

ひとしまんと思ひも見えぬ世にあれば
末にさこそは大幣の空

人並みであろうとする思いさえ見えない世の中であるので、行く末にはさぞかし、大幣のように頼みがたい空模様となるのだろう。

詳細を見る

山家集 - 西行

深き山は苔むす岩を畳み上げて
古りにし方を納めたるかな

深い山は、苔むした岩を畳み上げて、過ぎ去った遠い昔を納めているのだなあ。

詳細を見る

山家集 - 西行

古りにける心こそなほあはれなれ
及ばぬ身にも世を思はする

年老いてしまった心こそ、やはりしみじみと哀れである。力の及ばないこの身にも、世の中のことを思わせるのだから。

詳細を見る

山家集 - 西行

はかなしな千代思ひし昔をも
夢のうちにて過ぎにける世は

はかないことだ。千年も続くと思っていた昔をも、夢のうちに過ごしてしまったこの世は。

詳細を見る

山家集 - 西行

ささがにの糸に貫く露の玉を
懸けて飾れる世にこそありけれ

蜘蛛の糸に貫き通した露の玉を、掛けて飾っているような、はかない世であることだ。

詳細を見る

山家集 - 西行

現をも現とさらに思へねば
夢をも夢と何か思はん

現実をも現実だとまったく思えないのだから、夢をどうして夢だと思うことがあろうか。

詳細を見る

山家集 - 西行

さらぬことも跡形なきをわきてなど
露をあだにも言ひも置きけん

露でないものも、みな跡形もなく消えてしまうのに、とりわけどうして、露ばかりをはかないものと言い置いたのだろうか。

詳細を見る

山家集 - 西行

灯火のかかげ力もなくなりて
とまる光を待つ我が身かな

灯火の芯をかき立てる力もなくなって、わずかに残る光が消えるのを待つばかりの我が身であることよ。

詳細を見る

山家集 - 西行

水干たる池に潤ふ滴りを
命に頼むいろくづや誰

水の干上がった池にわずかに潤うしたたりを、命の頼みとしている魚とは、いったい誰のことか。

詳細を見る

山家集 - 西行

汀近く引き寄せらるる大網に
幾瀬のものの命こもれり

汀の近くに引き寄せられてくる大網の中には、いくつもの瀬に住んでいた生き物たちの命がこもっている。

詳細を見る

山家集 - 西行

うらうらと死なんずるなと思ひ解けば
心のやがてさぞと答ふる

穏やかに安らかに死んでいくのだなと思い悟ると、心がすぐに、そうだと答えることだ。

詳細を見る