古典和歌stream

千載和歌集 - 藤原経家

いづかたと春の行方は知らねども
惜しむ心の先に立つらん

どちらの方へと、春の行方はわからないけれども、春を惜しむ心は、春よりも先に立って行くのだろう。

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千載和歌集 - 琳賢

もろともに同じ都は出でしかど
つひには春に別れぬるかな

春といっしょに同じ都を旅立ったけれども、旅の途中でとうとう春と別れてしまったことだ。

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千載和歌集 - 静賢

花はみな四方の嵐に誘はれて
ひとりや春の今日は行くらん

花はみな四方の山から吹く嵐に誘われて散ってしまい、春は今日、ひとりで去ってゆくのだろうか。

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千載和歌集 - 範玄

花の春重なるかひぞなかりける
散らぬ日数の添はばこそあらめ

花の咲く春が閏月で重なっても、その甲斐はなかった。花の散らない日数が加わるのであればよいのだが。

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千載和歌集 - 覚忠

惜しめどもかひもなぎさに春暮れて
浪とともにぞたちわかれぬる

いくら惜しんでもその甲斐もなく、渚で春は暮れて、寄せては返す波とともに、春と立ち別れてしまったことだ。

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千載和歌集 - 大江匡房

常よりも今日の暮るるを惜しむかな
今いくたびの春と知らねば

いつもよりも今日の暮れてゆくのを惜しむことだ。この先あと幾度めぐり会える春なのかもわからないので。

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千載和歌集 - 河内

今日暮れぬ花の散りしもかくぞありし
二たび春は物を思ふよ

今日で春は暮れてしまった。花が散ったときもこのようであった。春には二度、物思いをすることだ。

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千載和歌集 - 大江匡房

夏衣花のたもとに脱ぎかへて
春の形見もとまらざりけり

花の色に染めた春の衣の袂を夏衣に脱ぎかえてしまい、春の形見として残るものも、もう何もなくなってしまった。

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千載和歌集 - 藤原基俊

今日かふる蝉の羽衣着てみれば
袂に夏はたつにぞありける

今日着かえる、蝉の羽のように薄い夏衣を着てみると、夏は袂のところから立つのであった。

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千載和歌集 - 藤原実清

飽かで行く春の別れにいにしへの
人やうづきと言ひはじめけん

名残を惜しみきれないまま去ってゆく春との別れがつらいので、昔の人はこの月を、憂さを含んだ「卯月」と呼びはじめたのだろうか。

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千載和歌集 - 藤原顕輔

むらむらに咲ける垣根の卯の花は
木の間の月の心地こそすれ

ところどころに群がって咲いている垣根の卯の花は、木の間から漏れさす月の光のような感じがする。

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千載和歌集 - 三条実房

夕月夜ほのめく影も卯の花の
咲けるわたりはさやけかりけり

夕方の月のほのかな光も、卯の花の咲いているあたりでは、くっきりと明るいのだった。

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千載和歌集 - 覚性法親王

玉川と音に聞きしは卯の花を
露の飾れる名にこそありけれ

玉川という名で評判に聞いていたのは、卯の花を露が玉のように飾っていることから付いた名であったのだ。

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千載和歌集 - 藤原季通

見で過ぐる人しなければ卯の花の
咲ける垣根や白河の関

見ないで通り過ぎる人はいないので、卯の花の咲いているこの垣根は、行き交う人を留める白河の関なのだろうか。

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千載和歌集 - 賀茂政平

卯の花のよそめなりけり山里の
垣根ばかりに降れる白雪

卯の花を遠目に見たための見誤りであったのだ。山里の垣根にだけ降り積もっていると見えた白雪は。

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千載和歌集 - 藤原敦経

卯の花の垣根とのみや思はまし
賤の伏屋に煙立たずは

ただ卯の花の垣根だとばかり思っただろう。身分の低い者の粗末な家から煙が立ちのぼっていなかったならば。

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